崔衣林先生による「中薬学の“ほぼ”すべて」

Traditional Chinese medicine

漢方.jpの新見正則です。僕は中医学を勉強したく2年前から中国語を相当本気で勉強しています。そして中国に足を運ぶ度に中国の書店で中医学の教科書を購入してきます。日本の中国語書店を数軒当たりましたが現代中医学の教科書はどこも置いていませんでした。またネットショップにもありません。

日本では西洋医が漢方を勉強しています。日本で医師免許を取得すると自動的に漢方が処方可能なのです。言葉を換えれば、漢方を処方したければ医師免許が必要なのです。一方で、中国では中医師が現代中医学を勉強しています。西洋医とは別の課程で、5年間の勉学が必要です。そんな膨大な量を日本の西洋医の僕がすべて学べる訳がありません。

僕がまず読みこなしたい中医学の基礎的教科書は、中医基礎理論、中医診断学、中薬学、方剤学、中医内科学の5冊です。このなかで、中医基礎理論は2000年に浅野周先生が和訳を上梓しています。

全訳中医基礎理論-中医薬大学全国共通教材

また、中医診断学は2008年に王憶勤先生らが和訳を上梓しています。

全訳 中医診断学―新世紀全国高等中医薬院校七年制教材

しかし、他の教科書の和訳はありませんでした。

僕は中医学に凄く興味があるのです。「中医学が日本人にも効くのなら、日本にもどんどんと導入されるべき」と思っています。そんな僕の思いをかなえる出逢いがありました。

北京中医薬大学の大学院で中医学を勉強している崔衣林先生です。昨年は、北京中医薬大学大学院生15人と一緒に僕のラボを見学に来てくれました。北京中医薬大学はもっとも難しい中医学の大学です。そこの博士課程で日々勉強している先生の知識を学びたい、いっそ盗みたいと思っています。そんな思いに崔衣林先生は答えてくれました。まず、崔衣林先生が勉強している“現代中薬学の複数の教科書”をまとめてわかりやすく和訳をしてくれました。さらに、その貴重な資料をここで公開することを崔衣林先生は快諾してくれました。そして、現代中医学のコラムもお願いすることができました。

中医学でも、和漢でも、西洋薬でもいいのです。僕達の願いは困っている患者さんが病気から解放され、または少しでも良くなり、そして楽になることですから。

このページでは、崔衣林先生が翻訳してくれた「中薬学の“ほぼすべて”」をご紹介します。フルテキストについては最後にご案内していますので、興味のある方はぜひお申し込みをなさってください。

 産採集

第一節 

1.地道薬材の概念

産地は薬材の品種や品質など影響し、治療効果を左右する。道地薬材を地道薬材ともいい、優質で純性な薬材という意味があり、歴史が悠久で、産地に適しており、品種が優良で、産量が豊富で、炮製方法が熟知され、治療効果が高い、地域性のある薬材を指す。

2.著名な道地薬材

四川の黄連・川芎・川貝・川烏・附子、東北の人参・細辛・五味子、河南の地黄・牛膝・山薬・菊花、雲南の三七・茯苓、広東の陳皮・砂仁、江蘇の薄荷・蒼朮、甘粛の当帰、寧夏の枸杞、青海の大黄、内蒙の黄耆、山西の党参、山東の阿膠、浙江の浙貝母などがあり、古くから道地薬材と言われてきた。

第二節 採集

1.全草:枝葉が生い茂り、開花したばかりの頃に採集する。益母草・荊芥などは根より上の地上部分だけを用い、柴胡・小薊などは根を含むすべてを用いる。

2.葉類:枇杷葉・艾葉などは真っ盛りの頃に採集する。桑葉など一部の中薬は深秋の霜後に採集する。

3.花類:野菊花・金銀花などは蕾、または開花したばかりのものを採集する。

4.果実・種子:栝楼・檳榔などの果実は熟した頃に採集する。蓮子・菟絲子などの種子は完全に成熟してから採集する。

5.根・根茎:天麻・葛根などは秋暮もしくは初春の二月・八月に採集する。半夏・太子参・延胡索など一部は夏に採集する。

6.樹皮・根皮:黄柏・杜仲・厚朴などは春・夏の植物が最も生い茂る頃に採集する。牡丹皮・苦楝皮・地骨皮などの根皮は晩秋に採集する。

7.動物・昆虫類:全蝎・土鼈虫などの虫類は活動する季節に採集する。多くは晩夏から初秋に捕獲する。蝉退は夏から秋季に採集し、石決明・牡蛎・蛤殼・瓦楞子など貝殼類も夏から秋に採集する。鹿茸は春の清明節前後に採集し、雄鹿の角が生えまだ骨化していない時のものが最も良い。

8.鉱物は年中採集できる。

第二章 

第一節 

1.薬材を浄化し、品質を保証し、分類・等級区分する。

2.薬材を裁断することで、調剤・製剤しやすくする。

3.薬材を乾燥させることで、貯藏しやすくする。

4.味や臭みを調整し、服用しやすくする。

5.毒などの副作用を軽減させ、安全を保証する。

6.効能を増強させる。

7.中薬の性能を変え、応用範囲を広げる。

8.引薬入経させ、臟腑経絡への治療効果を高める。

第二節 炮方法

1.修治

①薬材の浄化:手や機械を用いて土や非薬用部位を除去する。挑・篩・簸・刷・刮・挖・撞などの方法がある。

②薬材の粉碎:製剤と炮製の規定に応じて粉碎することで有效成分が出やすくなる。搗・碾・研・磨・鎊・銼など方法がある。

③薬材の裁断:片・段・絲・塊など一定の規格に裁断することで有效成分が出やすくなり、乾燥や貯蔵・計量しやすくする。薬剤の性質・製剤・臨床に応じて裁断の規格が変わってくる。

2.水製

淋・洗・泡・漂・潤・水飛などがある。中薬の硬さに応じて淋潤・洗潤・泡潤・浸潤など使い分け、水や液体を中薬に浸透させる。有効成分が失われない程度にし、中薬を軟化させ裁断しやすくする。

①漂洗:中薬を水に浸け、繰り返し水を変え洗浄し、生臭さや塩分・毒性成分を除去する。

②水飛:中薬に水を加えすりつぶし、極細の粉末を得るの方法。

3.火製

①炒:中薬のみを炒める清炒と土・麸・米などの補助物と一緒に炒める方法がある。清炒には炒黄・炒焦・炒炭など異なる程度の炒め方がある。

②炙:液体の補助物と中薬を炒め、補助物を中薬の内部に浸透させる方法である。

③煅:中薬を強火で直接あるいは間接的に焼く方法である。

④煨:湿った小麦粉や湿った紙で中薬を包み、火のついた灰の中に入れ黒くなるまで加熱する方法。

4.水火共製

①煮法:中薬と清水あるいは液体補助物を一緒に煮る方法。

②蒸法:水蒸気あるいは附加成分で中薬を蒸す方法。

③淬法:中薬を赤くなるまで焼いて、冷水あるいは液体補助物の中に入れ、脆くさせる方法。

④潬法:中薬を沸騰水に入れ、しばらくして取り出す方法。

5.その他の製法:発芽・発酵・製霜・精製など。

第三章 薬味理

第一節

1.四気の概念

寒熱温涼の四種の薬性のこと。またという四性。寒涼は陰に属し、温熱に陽に属する。寒涼と温熱はお互い対立しており、その間には平性薬がある。平性薬は、寒熱がはっきりしておらず、作用も緩やかである。しかし平性といえど温もしくは涼に偏っているので五気と言わず、四気という。

2.四気の産生

薬性の寒熱温涼は中薬の人体に対する異なった反応と治療効果をまとめたもので、治療できる疾病と相対的なものと言える。

3.四気の作用と適応症

①寒涼薬:清熱・瀉火・解毒・養陰・平肝など作用があり、熱証・陽証に用いる。

②温熱薬:温中・散寒・助陽など作用があり、寒証・陰証に用いる。

4.四気の臨床意義

寒病には熱薬を用い、熱病には寒薬を用いる。これは四気理論に沿った臨床の原則である。寒涼薬は陽熱証を治療し、温熱薬は陰寒証を治療する。逆に陰寒証に寒涼薬を用いたり、陽熱証に温熱薬を用いたりすると病状が悪化し、ひどいと死に至る場合もあるので注意が必要である。

第二節 五味

1.五味の概念

五味とは酸・苦・甘・辛・鹹の五種の味を指す。その他、淡味や渋味などもあり五種だけではないが、最も基本となるのは五種である。

2.五味の産生

口で味がわかるのは人の感覚器で判断している。これは実際の味であるが、ここで言う五味とは四気を同様、長年の臨床で人体に対する反応や治療効果などをまとめたものを五味理論という。したがって、五味とは口で味わう中薬の味だけでなく、より重要なのは総括した理論である。

3.五味の作用と臨床の意義

辛:発散・行気・活血の作用。表証・気帯・血瘀・竅閉神昏・湿阻などの証に用いる。

甘:補益・和中・緩急の作用。虚証・脾胃不和・疼痛などの証に用いる。

酸:收斂・固渋の作用。虚汗・久瀉・遺精・遺尿・出血などの証に用いる。

苦:清泄・燥湿の作用。泄とは清熱瀉火・瀉下通便・降泄肺気の作用があり、裏熱証・熱結便秘・肺気上逆喘咳などの証に用いる。燥湿は湿証に用いられる。湿証は寒湿と湿熱に分けられ、苦温薬は燥寒湿の作用が、苦寒薬は清熱燥湿の作用がある。

鹹:瀉下通便・軟堅散結の作用。甲状腺腫・痞塊・燥熱便秘などの証に用いる。

この他、淡は滲湿・利尿の作用があり、水腫・小便不利などの証に用いる。

渋味と酸味を似ており、收斂固渋の作用があり、虚汗・泄瀉・尿頻・遺精・滑精・出血などの証に用いる。

第三節 降浮沉

1.昇降浮沉の概念

中薬が人体に対する作用は異なる方向性がある。昇浮と沉降の二つに分けることができる。これは各種疾病の病機と証候の病勢を相対的に現したものである。

2.昇降浮沉の適応症

昇は上昇、降は下降、浮は外へ発散、沉は内へ收斂する。

昇浮薬:昇陽・解表・祛風・散寒・催吐・開竅など效果があり、腹瀉・脱肛・表証・痰涎壅盛・宿食・竅閉神昏などの証に用いる。

沉降薬:清熱瀉火・瀉下通便・降逆止嘔・止咳平喘・潜陽息風・利水滲湿などの作用があり、裏熱証・湿熱便秘・嘔吐・呃逆・喘咳・肝陽上亢・肝風内動・水腫・小便不利などの証に用いる。

3.昇降浮沉の臨床意義

①人体に病変が発生するとき、上下表裏の部位が異なり、病勢も上逆・下陷の違いがある。その理論を病位と病勢に応用する。

②病勢が上逆する者には降下させ、病勢が下陷する者には上昇させる。したがって病状によって中薬を選ぶ必要がある。こうすることで機体の機能の失調は正常になる。

4.中薬の昇降浮沉作用に影響する要素

①性味と質地の関係

昇浮作用のある中薬は辛・甘味・温熱性があり、沉降作用のある中薬は苦・酸・鹹・渋味・寒涼性がある。質の軽い花・葉類の中薬は昇浮作用があり、質の重い根茎・果実・種子・鉱物・貝殼類の中薬は沉降作用がある。

②炮製と配合による影響

中薬は炮製することで昇降浮沉の作用が変化する。複数の中薬を配合することでも作用が変化し、多くの沉降薬の中で昇浮薬は下降し、多くの昇浮薬の中で沉降薬は上昇する。中薬の昇降浮沉は色んな要素に影響されやすく、一定の条件下で相互転化する。

第四節  帰経

1. 帰経の概念

 中薬は一定の部位に対する選択性があり、すべての薬はある一定の臟腑経絡に作用しその部位においての病変を治療したり、特殊作用を発揮する。中薬の帰経が異なると、その治療作用も異なる。帰経は中薬治療において適用範囲を表すものである。例えば寒涼薬には清肺熱・清肝熱・清心熱の違いがあり、補虚薬には補肺・補脾・補腎の違いがある。臟腑経絡の病変の作用をまとめ、系統化させたものが中薬の帰経理論なのである。

2. 帰経の発生と意義

 帰経は臟腑・経絡理論を基礎とし、治療できる病証を根拠とする。経絡は人体の内外表裏を駆け巡るため、病変した際は体表の疾病は内臟に影響し、内臟の病は体表に影響する。したがって人体に病変が起きた場合、経絡を通して系統的に疾病を認識することができる。例えば肺経の病変では喘咳などが現れ、肝経の病変では胸脇痛・抽搐などが現れ、心経の病変では神昏・心悸などが現れる。中薬の治療効果・病機・臟腑経絡を密切に結合させることで臟腑経絡に対する作用を説明することができる。こうすることで、中薬の帰経はどの経絡と関係するか結論づけることができる。例えば貝母・杏仁は喘咳や胸悶を治療できるので、帰肺経。青皮・香附は脇痛を、天麻・鉤藤は抽搐を治療できるので帰肝経。朱砂は安神作用があるので、帰心経。帰経理論は薬效の所在を現す、長年の経験の総括である。

3.帰経と四気五味・昇降浮沉の関係

 四気五味は中薬の性能について、昇降浮沉は中薬の方向について、帰経は中薬が作用する部位を説明している。同じ帰経の中薬においても温・清・補・瀉と作用が異なる。帰経と四気を結合させると、肺病の咳嗽(帰肺経)では、寒性の黄芩は清肺熱、熱性の乾姜は温肺寒、温性の百合は補肺虚、涼性の葶藶子は瀉肺実する。帰経と五味を結合させると、同じ帰肝経の中薬では、辛味の香附は疏肝理気、甘味の阿膠は補養肝血、酸味の山茱萸肉は收斂補肝、苦味の竜胆は清肝瀉火、鹹味の鼈甲は散結消癥。帰経と昇降浮沉を結合させると、同じ肺経(咳嗽気喘)の病変では、昇浮の麻黄・桔梗は開宣肺気・止咳平喘する。沉降の桑白皮・葶藶子は粛降肺気・止咳平喘する。したがって、帰経と四気五味・昇降浮沉を結合することで、より良い臨床効果を得ることができる。

第五節   毒性

1.毒の概念 

 中薬の毒の概念は広義と狭義に分けられる。狭義の毒は、人に害を及ぼすものを毒とし、毒の副作用である。広義の毒はすべての中薬の総称である。

2.中薬の毒性の分類 

現在の「中華人民共和国薬典」は大毒、有毒、小毒の三種類に分類している。

3.中薬の毒性を把握

 まずは正確に中薬の毒性を把握する。中薬の毒性の認識というのは臨床経験の積み重ねや社会の発展に応じ常に修正される。その他、臨床報告、文献の記載、臨床経験などを比較しながら正確に把握する必要がある。また有毒中薬の使用管理方法についても知る必要がある。

4.中薬中毒の原因 

 中薬中毒の原因と儲存、加工炮製、配合、剤型、投薬方法、用量、使用時間、患者の体質、年齢、証候の性質など密切に関係している。したがって、有毒中薬を使用する際、上述の各工程を厳格に管理し、中毒事故の発生を防ぐ必要がある。

5.毒性の強弱と臨床意義

①毒薬を使用する際は体質の強弱・疾病部位の深浅・適切な用量を把握し、効果があればすぐに服用を停止する。同時に配合の禁忌にも注意する必要がある。そして毒薬の炮製も厳格に管理し、毒性を軽減させる。この他、個体差にも注意し、患者の自己判断での服薬を禁止させる。

②「毒を以て毒を攻する」原則に随い、安全を確保した上で毒薬での治療を行う。

③中薬の毒性と中毒時の臨床表現を掌握することで、中毒の原因を診断し、迅速に有效な治療を施すことができる。

第四章  配合

1.配合の概念と意義 

 配合とは、病情によって中薬の異なる特徴を活かし二種類以上の中薬を組み合わせることをいう。疾病が複雑化することで色んな中薬の配合応用方法が現れた。

2.配合の内容 

①単行:中薬を単独で用いる。病情が比較的単純な病証。例えば独参湯。

②相須:似た作用を持つ二つの中薬を配合し、薬効を増強させる。例えば麻黄と桂枝を配合することで発汗解表、祛風散寒の作用を増強できる。石膏と知母を配合することで清熱瀉火の作用を増強できる。

③相使:二つの中薬を配合し、輔薬が主薬の作用を高める。例えば黄耆と茯苓を配合することで、茯苓は黄耆の補気利水作用を高める。大黄と芒硝を配合することで大黄の峻下熱結・排便作用を増強することができる。

④相畏:中薬の毒性あるいは副作用を、他薬によって減軽あるいは消除される配合。例えば生半夏と生南星の毒性は生姜よって軽減あるいは消除される。

⑤相殺:中薬が他薬の毒性を減軽あるいは消除するの配合。例えば生姜は生半夏と生南星の毒性あるいは副作用を減軽あるいは消除することができる。相畏、相殺は同一の配合を違う角度から説明したものである。

⑥相悪:中薬が他薬の作用を破壊する配合。例えば人参悪萊菔子。萊菔子は人参の補気作用を破壊する。

⑦相反:二薬を配合することで毒性あるいは副作用を産生する。例えば“十八反”、“十九畏”。

中薬の配合関係において、相須・相使は作用を増強させる配合、相畏・相殺は毒性・副作用を減弱させる配合でよく用いられる。相悪は作用を減弱させる配合で、できれば用いない。相反は毒性・副作用を増強する配合で禁忌である。

第五章  禁忌

1.配合の禁忌

①十八反

甘草は甘遂、大費、海藻、蕪花に反する。

烏頭は貝母、栝楼、半夏、白蘞、白及に反する。

藜芦は人参、沙参、丹参、苦参、玄参、細辛、芍薬に反する。

②十九畏

硫黄は朴硝を畏れる。水銀は砒霜を畏れる。狼毒は密陀僧を畏れる。巴豆は牽牛子を畏れる。丁香は郁金を畏れる。川烏、草烏は犀角を畏れる。牙硝は三棱を畏れる。肉桂は赤石脂を畏れる。人参は五霊脂を畏れる。

十九畏と“七情”の“相畏”意味が異なる。十九畏は毒・副作用を増強させるため禁忌で、相畏は毒・副作用を減弱させるためよく応用する配合である。

2.証候による禁忌

中薬の薬性は異なるため、その作用・特徴・適応範囲も異なってくる。したがって臨床においては禁忌となる。例えば麻黄は性味辛温で発汗解表・散風寒・宣肺平喘利尿する。故に外感風寒表實無汗あるいは肺気不宣の喘咳に用いるが、表虚自汗・陰虚盜汗・肺腎虚喘には禁忌である。

3.妊娠の禁忌

一部の中薬は胎児に悪影響を及ぼしたり、流産させることもある。その程度によって慎用と禁用に分けられる。慎用の中薬は通経祛瘀・行気破帯・辛熱滑利のもので、桃仁・紅花・牛膝などがある。禁用の中薬は毒性が強いか薬性が猛烈な中薬で、巴豆・牽牛・水蛭・斑蝥などがある。慎用薬は病情に応じて用いることもできるが、禁用薬は絶対用いてはならない。

4.服薬時の飲食においての禁忌

服薬中の飲食においての禁忌を食忌とも言う。一般的には生もの、冷えたもの、脂っこいもの、魚介類など生臭いもの、刺激の強いものは控える。病情によっても飲食の禁忌は異なる。

この他、古代文献にも甘草、黄連、桔梗、烏梅には豬肉は用いない。鼈甲には莧菜は用いない。常山には葱は用いない。地黄、何首烏には葱、ニンニクは用いない。丹参、獲苓、茯神には醋は用いない。土茯苓、使君子にはお茶は用いない。薄荷には蟹肉は用いない。これらは服薬時の禁忌に参考する。

第六章  用量と用法

第一節 用 量

用量とは臨床応用時の分量のことで、単味薬ごとの成人の一日量と、方剤中の薬の比率を指す。用量の適不適は直接臨床効果に影響するので非常に重要である。

①中薬の性質と用量の関係

劇毒薬あるいは作用の峻烈な中薬は、用量を厳守する必要がある。始めは少量用い、徐々に増やし、効果があれば服用を停止する。花、葉、皮、枝など軽いものや脆いもの、性味の濃厚なもの、作用が強いものは少量用いる。鉱物、殻類の重いものや性味の淡薄なもの、作用が緩和なものは多量用いても良い。鮮品は多量用い(乾品の4倍)、乾品は少量用いる。苦寒薬の長期服用は脾胃を傷つけるため控え、高価な中薬は効果を保証したうえで、できるだけ少なくする。

②剤型・配合と用量の関係

 煎じ薬に用いるときは丸散に用いるときより量は多くなる。単味薬で使用する場合、複方で応用するときよりも量は多くなる。

③年齢・体質・病情と用量の関係

老人、小児、産後、体質虚弱者には用量を減らす。5歳以下の小児には成人の1/4、5歳以上の児童には成人の半分の量を服用させる。この他、病情が軽く、病勢が緩やかで、慢性的な者には量は少なくし、病情が重く、病勢が急で、急性的な者には量を多くする。

④季節と用量の関係

発汗解表薬や辛温大熱薬は夏には量を減らし、冬には量を多く用いても良い。苦寒降火薬は夏には多量用い、冬には少量用いる。劇毒薬、峻烈薬、精製薬、高価な中薬以外の中薬の内服量は一般的に5〜10g、多量用いるときは15〜30g、鮮品を用いるときは30〜60gである。

第二節  用法

①煎煮方法

鉱物薬、甲殻類薬、滋補薬は長時間煎じ、有効成分を溶出させる。例えば磁石、石決明などがあり、附子など毒・副作用が強い中薬も長時間煎じ、毒性を減弱させる。解表薬、芳香薬は長時間煎じると有效成分が揮発するため、時間は短くする。粉末状のものあるいは種子などは浮いたりや底に溜まることを避けるため包煎する。高価な中薬は別に分けて煎じる。膠質のものは烊化させる。液体薬は煎じず、直接内服する。

②服薬の時間

煎じ薬は一日1剤、2回に分けて服用する。一般的に食前あるいは食後1〜2時間に服用し、滋補薬は食前に服用、駆虫薬・瀉下薬は空腹に服用し、健胃薬あるいは胃腸への刺激があるものは食後に服用し、安眠薬は就寝前に服用する。

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