漢方医学と西洋医学の違い
- 2018.10.29
- 漢方薬治療とは

漢方医学と西洋医学ついてお話しします。
私は外科医です。もちろん、西洋医学を学び、臨床の場でも活用してきました。漢方医学に関してどのように感じていたかというと、まったく信じていませんでした。むしろ、うさんくさいと思っていました。
そんな私が、西洋医学の限界を感じ、漢方という引き出しを見つけ、漢方の魅力にどっぷりはまりました。
どちらが良い、悪いではなく、そもそもアプローチが全く異なるのです。
西洋医学の補完医療としての漢方
私の基本的なスタンスは、西洋医学が完璧であれば漢方の出番はほとんどない、です。
まずは西洋医学で、症状に対する対処法、治療法というものを考えます。しかし、今の医学では治らない、病気とは言われていない、そんなことが少なからずあります。そして、このサイトに訪問していただいている方は、そのような経験をされているのではないでしょうか?
森のなかに病気の木があるとします。
西洋医学は、病気の木を発見し、木にどんな異常があるかを調べ、木を治す治療を行います。
漢方医学は、まだ西洋医学が発展していない頃、木を治す知恵がないために森全体を診て、森を元気にする方法を考えたものです。乱暴な言い方をすると、体に合う漢方を飲むと、森全体が治るのです。
なんだか森全体が不調だが、病院に行っても病気の木が見つからない。そんな時に、森全体にアプローチすることで不調を改善させようという考え方が、漢方医学的なアプローチです。
このサイトでは、「漢方薬治療」と呼ぶものについて紹介しています。私の考える漢方薬治療についてはこちらの記事で解説しています。
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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。