【症例集】麻黄で尿の出が悪くなる。実証のひとでも尿閉は起こる。

【症例集】麻黄で尿の出が悪くなる。実証のひとでも尿閉は起こる。

症例

71歳男性

喘息が治らないと来院。西洋医学的治療は受けている。

週末はロードバイクで河川敷のサイクリングコースを何十キロのサイクリングするような元気なひと。

麻杏甘石湯+小柴胡湯を処方する。

(再診時)

「先生、どうもション便が遠くに飛ばなくなった。」

前立腺肥大があるのだろう。尿閉にならなくてよかった。ホッ

柴朴湯を処方。喘息発作の頻度、やや低下した。

解説

高齢だがロードバイクに乗るような元気なひと。実証と思って麻杏甘石湯から処方したのが、危ない選択肢でした。前立腺肥大についてしっかり尋ねるべきでした。あやうく尿閉になるところ。

麻黄に含まれるエフェドリンで尿閉が生じることは薬理学では当たり前。そんなことをふと忘れてしまうことがあります。

麻黄剤が使えないので、小柴胡湯と半夏厚朴湯の合方である柴朴湯を投与して、発作の頻度が低下し、喜ばれました。

麻黄が使えない状態では、つまり虚証のひとや、前立腺肥大のひとでは、ちょっと処方が窮屈になりますね。でもそんな状態でも適切な漢方薬を探す努力が楽しいのですね。