漢方薬を効かせるにはちょっと下痢気味に【松田邦夫先生陪席秘話】

漢方薬を効かせるにはちょっと下痢気味に【松田邦夫先生陪席秘話】

松田邦夫先生の外来に陪席(横にちょこんと座って見学をする)機会に恵まれて、10数年が経ちます。

先日、松田邦夫先生が「先生にはすべてをお話しているので・・・」と言われました。そうであれば、皆さんに伝えて良い情報は僕だけで知っているのは勿体ないと思い、ここにボツボツと【松田邦夫先生陪席秘話】として投稿しようと思い立ちました。秘話に限らず、松田邦夫先生が語られたいろいろなことをご紹介していこうと思います。

まず、「漢方薬をより効かせるには、ちょっと下痢気味にすることがある」と度々、お話になります。同じ漢方薬を使用しても、便秘と快便、ちょっと下痢気味で、有効性が異なるという経験知と思っています。僕も、便秘の人に漢方薬を処方するときには、瀉下作用がある大黄を含む漢方薬である麻子仁丸126や潤腸湯51などを併用します。

通常は就寝前に内服してもらいますが、それは建前で、いつでもいいと思っています。1包で足らなければ、1包1日2回、3回と増量します。患者さんが使用に慣れてくれば、内服方法は本人任せでOKです。僕の患者さんには1回に3包まとめて飲む人もいます。頑固な便秘の時は、桃核承気湯61に変更します。承気湯は大黄+芒硝を含む漢方薬の総称です。保険適用漢方薬では桃核承気湯61の他、大承気湯133、調胃承気湯74が承気湯類です。

皮膚疾患に漢方薬を使用するときは、松田邦夫先生は度々大黄を漢方薬に追加しています。松田邦夫先生のクリニックは基本的に煎じ薬ですので、漢方薬に大黄を加えたり、すでに入っているものには増量すればいいのです。敢えて、麻子仁丸126や潤腸湯51を併用する必要がありません。しかし、エキス剤を使用するときは大黄の増量という作戦が取れないのです。また、皮膚疾患で漢方薬を使用するときは、お休みの前日などは通常以上の量を内服してもらって、腸を空にするイメージにすることもあります。そうすると確かに漢方薬の効果が増すのです。

漢方薬を使用しているときは便秘よりもむしろ少々下痢気味の方が、漢方薬の効果が増すことが多いというクリニカルパール(経験側)として覚えて下さい。