テレビの危うさ 補中益気湯が減量薬と短絡的に

テレビの危うさ  補中益気湯が減量薬と短絡的に

症例

テレビの恐ろしさ

レギュラー出演していたテレビでの一コマ

「水太り(虚証)の肥満は食事制限をすると眠くなり、意欲が低下する。そこで補中益気湯を処方しながら気長に気力を維持しつつ、食事管理で痩せる方法もある」

これを聞いた視聴者が「やせ薬は補中益気湯」と思い込む。補中益気湯はむしろそれだけでは食欲が増しますよね。

解説

実証の人は、満腹も空腹も結構我慢ができると思っています。便秘も下痢もへっちゃらです。ところが虚証の人は、満腹も気持ち悪くなり、空腹では力が出ず、便秘も不快で、下痢は辛いと訴えます。つまり虚証のひとはやせにくいのですね。水太り肥満が基本的に虚証ですので、なかなかやせません。

やせる基本は食事管理です。運動自体でもやせることはありますが、まれですね。フルマラソンで4000キロカロリーを消費しても約500グラムの脂肪しか燃えません。そして虚証の人はちょっとした運動も嫌いですね。運動は直接痩せるためではなく、痩せやすい実証の体をつくるためと考えています。

虚証のひとは空腹に耐えられないのですね。その気力を増すために補中益気湯を処方して、気力を鍛える方法があるということです。補中益気湯だけを飲んだのでは、食欲も増してしまいます。気力を増して、その食欲を抑えるために飲むのです。テレビはかい摘んで視聴されますので、痩せる漢方は補中益気湯といった短絡した情報が流れてしまいます。困ったものです。こちらも気をつけますが。