漢方のアレルギー反応の不思議

漢方のアレルギー反応の不思議

症例

大塚敬節先生はご自身で50歳前後の頃に八味地黄丸を飲んだら、薬疹が出たと記載しています。ところが、60歳代後半になると八味地黄丸を飲んでも薬疹が出なかったそうです。

松田邦夫先生の御尊父である人間国宝の松田権六翁は朝鮮人参で体全体に薬疹が生じたそうですが、後日朝鮮人参を含む漢方薬である半夏瀉心湯では薬疹が出なかったそうです。

解説

大塚先生の八味地黄丸の例は、同じ漢方薬でも年齢によって薬疹が出ることも出ないこともあるということを示しています。八味地黄丸を飲むよりも若い年齢で内服すると薬疹が生じ、八味地黄丸相当の年齢になると体が漢方薬にあってくるので薬疹がでないとも説明できますが、詳細は不明です。

松田権六翁のケースは、配合の仕方で薬疹が出ることも出ないこともあるということを示してます。朝鮮人参は滋養強壮剤ですので、実証であった松田権六翁には薬疹が生じたのかもしれません。一方で、朝鮮人参を含みますが半夏瀉心湯は比較的実証用の漢方薬ですので、薬疹が出なかったとも説明できます。これも詳細は不明です。

そんなこともあるのだと記憶に残ればいいのです。漢方ではいろいろなことが起こるのですね。薬疹ひとつをとってみても。つまり何かが起こったときにそれが本当に漢方薬のせいであったのかを証明することも難しく、またその原因が漢方でないと言い切ることも難しいと思われます。