腹診所見で柴胡加竜骨牡蛎湯・腹診は荒唐無稽ではないのかも?
- 2019.10.29
- 漢方処方119番

症例
60歳代 女性 高血圧、坐骨神経痛、膀胱炎、花粉症
腹診で、実証・大動脈拍動あり。腹診所見より
5月 柴胡加竜骨牡蛎湯を処方する
7月 疲れが良くなる。
7月 膀胱炎が良くなる。
9月 坐骨神経痛が良くなる。
10月 困ることなし。
11月 血圧正常に。
2月から 今年は花粉症でない。
遠方のひと、たくさん患者さんを紹介してくれる。
解説
腹診から漢方薬を処方し、体全体が良くなり感謝された症例。腹診による漢方の選択も有効なことがあり、悪くないと合点した症例
柴胡加竜骨牡蛎湯で疲れ、膀胱炎、坐骨神経痛、高血圧、花粉症がらくになった。驚くべき効果。処方した医師(僕自身)と患者さんが驚いています。
花粉症は35年間煩っている。西洋剤も多々試したが効果があまりなかった。しかし花粉症は完璧になくなったのではなく、花粉がひどいときは、ときどき越婢加朮湯を内服して最高だと。
大動脈の拍動はその後収まった。西洋医であるときは大動脈拍動が変化することなど理解できなかった。良くなった患者さんの腹証の変化をみることは楽しいし、勉強になる。
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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。