【症例集】漢方嫌いな教授 「かみさん、なんだか舌見てるよ」

【症例集】漢方嫌いな教授  「かみさん、なんだか舌見てるよ」

症例

エレベーター内で、奥さんが僕の患者さんである先輩医師から

「うちのかみさん、先生に診てもらって、漢方薬を飲んで、あしの静脈瘤消えてるみたいだね。なんだか、自分で舌を見たり、お腹押したり、脈触ったりしているよ」

(奥さん、小さな血管が蜘蛛の巣のようになるWEBタイプの下肢静脈瘤が桂枝茯苓丸の投与で良くなったんだったな)

「奥さんが漢方ファンになって頂いて光栄ですよ」

「漢方って結構効くんだね。見直したよ!」

解説

奥さんを治すと漢方に興味を持って貰えるんだなと実感した一コマです。

大伏在静脈や小伏在静脈の逆流による本物の下肢静脈瘤が漢方薬で治ることはありません。しかし、おもい・だるいなどの症状は楽になることが多いですね。大きな静脈の逆流に起因しないWEBタイプの静脈瘤は桂枝茯苓丸で消失するものがあります。今のように手術が出来ない昔から、下肢静脈瘤には悩まされたのであって、少しでも症状を楽にする漢方を見つけていったはずですね。

下肢静脈瘤は静脈血の鬱滞ですので、漢方的には瘀血としてとらえられます。瘀血とは「古血の溜まり」といったイメージがわかりやすいと思っています。漢方の仮想病理概念の一つです。そんな瘀血を治す漢方薬が駆瘀血剤で、桂枝茯苓丸はそのひとつです。

瘀血は大切な漢方の治療概念です。なぜなら、瘀血を治す薬(駆瘀血剤)が非常に広範囲に使用され、有効です。ですから瘀血という概念は、最初は駆瘀血剤で治る訴えや症状が瘀血だと割り切って理解することが最初は簡単で有益です。