【症例集】こむらがえりに芍薬甘草湯が効かなくなった 長期使用で耐性に

【症例集】こむらがえりに芍薬甘草湯が効かなくなった  長期使用で耐性に

症例

70歳代 男性

「先生、こむら返りに芍薬甘草湯をもらっているんだが、最近はあまり効かない。最初にもらった頃は、あれを寝る前に飲むと、明け方のこむら返りが起こらなかったのに・・・・。最近は、寝る前に飲んでも、こむら返りが起こって困る。」

「芍薬甘草湯はこむら返りの特効薬ですが、ずっと飲んでいると効きが悪くなるのですよ。ある程度こむら返りの頻度が収まったら、牛車腎気丸という漢方薬に変えましょう。今日はそちらを処方しますね。芍薬甘草湯はこむら返りのときの頓服用に使用してくださいね。」

解説

芍薬甘草湯がこむらがえりに有効ということは、最近は漢方があまり好きではない先生方にも知られています。もうすこし深く知る必要がある薬ですね。まずは甘草が1日量6グラムと保険適応漢方エキス剤では最大の量が含まれています。偽アルドステロン症には要注意ですね。また、芍薬と甘草の二つから構成されていることが注意点です。構成生薬が少ない漢方薬は切れ味が良いのですね。こむら返りのときに頓服すると数分で軽快します。

一方で長期間内服すると耐性ができやすいのです。その反対に構成生薬数が多い漢方薬は徐々に効いていきます。でも耐性が出来にくいのですね。体質改善のイメージが強い漢方薬はたくさんの生薬を含んで
います。保険適応エキス剤では18種の防風通聖散が最多です。この延長の考え方で、構成生薬数が40、50となっては効きが悪くなりそうですね。漢方薬を複数飲むと効きが悪くなるというイメージが沸くと思います。ですから、芍薬甘草湯はこむら返りがある程度落ち着けば、頓服用にしましょう。日頃飲む漢方薬は、牛車腎気丸や八味地黄丸にします。そんな知恵も大切です。