【症例集】透析中の訴えに漢方薬を 皮膚の痒みに当帰飲子

【症例集】透析中の訴えに漢方薬を  皮膚の痒みに当帰飲子

症例

60歳代 男性

「先生、透析中に皮膚が痒くなる。その痒みが続いています。なにかいい漢方薬ありませんか?」

フローチャートに従って当帰飲子を処方

(再診時)

「あれ、効きません」

黄連解毒湯を処方

(再診時)

「今度のは効きます。」

解説

透析治療を受けている患者さんはたくさんいます。透析中に足がつれば芍薬甘草湯を使用し、糖尿病末梢神経障害による下肢のしびれには牛車腎気丸+附子を使用します。

透析の患者さんは皮膚が乾いていて、痒みを訴える人がいます。そんな時は当帰飲子をファーストチョイスとして使用します。当帰飲子は四物湯を含んでいますので、血虚が基礎にあるときに有効ですね。透析の患者さんは貧血傾向ですので、昔で言う血虚に相当するひとが多いのではと思っています。

ところが、この患者さんでは当帰飲子が効きませんでした。そんなときは温清飲を使用しますが、今回はとくに痒みを強く訴えたので、黄連解毒湯を選びました。黄連解毒湯+四物湯が温清飲ですが、痒みにだけターゲットを絞ると四物湯が邪魔なことがあります。つまり四物湯がない方が、痒みにより有効だという経験値です。