【症例集】月経前緊張症に抑肝散が無効。女神散が有効
- 2019.09.12
- 漢方処方119番

症例
20歳代 女性 華奢
「生理の前に、イライラして勉強が手につきません。怒りっぽくなって落ち着きません。なにかいい漢方ありませんか?」
抑肝散を処方
(再診時)
「まったく効いている気がしません。イライラするし、怒りっぽくなるし、落ち込むし、寂しくなるし・・・・・」
当帰芍薬散を処方
(再診時)
「少し良いようですが・・・・・。まだ、勉強が手につきません。落ち着かない。そわそわする。」
女神散を投与
(再診時)
「なんとか落ち着きました。」
解説
婦人科関係の訴えは少々困ります。自分で経験したことがないからですね。想像もできません。たくさんの患者さんからの成功と失敗の積み重ねで上手になると思っています。
まず怒りっぽいというキーワードで抑肝散を出しました。次は、ともかく女性で生理に関する訴えですので当帰芍薬散を処方しました。じつは気丈なところがあり女神散を処方してなんとかなりました。
女性の場合はいろいろと試していくしかないと思っています。ともかく、困れば女性の3大処方である当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸は必ず考慮すべきです。最近は便秘傾向の女性の時は桃核承気湯も気にいっています。また女神散はその次のチョイスとして重宝しています。たくさんの症例から学ぶしかないですね。特に自分で経験できないことは。
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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。