【症例集】いろいろ漢方薬を内服し、最後はトラムセットですべて解決
- 2019.09.10
- 漢方処方119番

症例
27歳男性
両手が痛い、両膝が痛い、足の指・太ももが痛い、冷えもあると訴えて来院。便秘傾向で、食欲あり、眠れる。
訴えが多くちょっと困る・・・。便秘傾向にて大柴胡湯は飲めるだろう。
そこで、困ったときの柴胡剤+駆瘀血剤の知恵で、大柴胡湯+桂枝茯苓丸を処方
4週後の再診時、前より痛み軽い。靴下が3枚に減ったと。すごく痛いのは軽くなる。そして臀部の痛みは治ると。同じ処方を続行
1年後の再診時、両手の甲が痛いのが困る。 他の痛みは治ったがこれはしばらく不変と。これ以上は無理かな。そこで柴胡桂枝湯を処方
再診時に、ちょっといいようだと言うので、半年間処方
今度は足の裏が、両側、氷水につけている感じと訴える。 脈は触れる
冷えが主訴に変化したので当帰四逆加呉茱萸生姜湯に変更
ちょっといいというので、ブシを増量 3グラムに
足の裏が痛い。冷えはいい。
牛車腎気丸+附子 3グラムで 相当いいと。
しかし、手をキューーと握られているような感じがとても困る
そこで漢方続行で、トラムセット+プリンペランを処方
これで痛みがほとんど楽になる。
解説
経過の長い患者さん、最初はちょっと変な人かと思ったが、実はまじめな方。たいへん良い患者・医師関係になりました。患者さんは当方を相当信頼・信用してくれています。
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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。