【症例集】閉塞性動脈硬化症にも 当帰四逆加呉茱萸生姜湯を

【症例集】閉塞性動脈硬化症にも 当帰四逆加呉茱萸生姜湯を

症例

70歳代 男性

閉塞性動脈硬化症で通院中。西洋医学的プロトコールに従い抗血小板剤を内服中。症状は間欠性跛行と下肢の冷え。

「先生、足の動脈が詰まっているだよね。手術はしたくない。薬をもらって100mで痛くなった足が150mぐらいは歩けるようになった。他にくすりないのかい?」

「試しに漢方薬を処方してみましょう」

当帰四逆加呉茱萸生姜湯を投与

(3ヶ月後)

「漢方薬でもっと歩けるようになった。そして冷えがだいぶ楽になった。」

解説

僕が漢方に興味を持ちだした頃の症例です。当帰四逆加呉茱萸生姜湯が腰痛には有効と言うことは知っていました。ある本には閉塞性動脈硬化症に有効と書いてあるではないですか。血管外科医としてそんなことはあるはずないと思っていました。動脈が詰まっている症状なのに漢方で血流が改善するはずがないと。

昔の人は腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行も、閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行も区別がつかないから、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が腰部脊柱管狭窄症の腰痛に効いて、その効果を血管性の跛行改善と混同していたのだろうと思っていました。

西洋薬剤である程度歩行距離が伸びた患者さんに漢方薬を追加して感謝されました。そこでトレッドミルを使って臨床研究をして、デジタル的にも有効性を確認して、2011年の日本内科学会で発表しました。当帰四逆加呉茱萸生姜湯の血管性跛行での有効性を確認できたので、今は初診時から抗血小板剤+当帰四逆加呉茱萸生姜湯を処方しています。