【症例集】頭痛に漢方薬の失敗例 「僕には、やっぱりロキソニンがいいな」
- 2019.08.27
- 漢方処方119番

症例
40歳代 男性 (自験例)
若い頃よりの頭痛持ち。月に1から2回ぐらい。
最近、漢方に興味があり、頭痛時にいろいろと漢方薬を試す。
葛根湯、呉茱萸湯、五苓散、香蘇散、半夏白朮天麻湯、桂枝茯苓丸
頓服で内服するもどれも効かない。
頓服では、ロキソニンが確実に有効。
ところが、日頃から大柴胡湯を飲むようになって、頭痛の頻度は激減した。
解説
漢方薬でも西洋薬でもどちらでもいいのですね。楽になるのでのであれば。これは自分の例です。漢方に興味を持つようになって、時々起こる頭痛にはいろいろな漢方薬を試しました。でもどれも即効性はありませんでした。やっぱり僕の頭痛にはロキソニンです。
頭痛の専門家に伺うと、痛み止めの頻用は薬剤誘発性の頭痛を誘導するので禁忌だそうですが、それは1日のうちにたくさんの痛み止めを内服する結果で、月に何回か飲む程度であれば西洋医学的鎮痛薬で問題ありません。洋の東西を問わず有効なものを利用すれば臨床では必要十分です。
驚いたことは大柴胡湯を長期内服して、頭痛はめったに生じなくなりました。まれに頭痛が生じると、もちろん今でもロキソニンを飲んでいます。
-
前の記事
【症例集】「結構おいしいですよ」 片頭痛に呉茱萸湯 2019.08.26
-
次の記事
【症例集】腰椎麻酔後の頭痛に五苓散無効例 「頭痛に漢方が効くと言われていますので」 2019.08.28
Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。