【症例集】「結構おいしいですよ」 片頭痛に呉茱萸湯 

【症例集】「結構おいしいですよ」 片頭痛に呉茱萸湯 

症例

30歳代 女性

「呉茱萸湯、美味しいですよ」

「では、しばらくだまされたと思って飲んでください」

(数ヶ月後)

「先生、アマージ(トリプタン製剤)の内服回数が減りました。」

「毎食前と、片頭痛時に頓服で飲んでいますが、それでいいですか?」

「あなたの長年つきあっている片頭痛が少しでも楽になるのであれば、どのように飲んでもいいですよ。」

(1年後)

「体調が悪いとき、仕事が疲れたとき、ストレスの時に片頭痛が出ますが、他はほとんど出なくなりました。でもアマージはお守りとしてもっています。」

「いまのアマージはいつのものですか?」

「3ヶ月前に処方してもらったものがまだ残っています」

解説

片頭痛の漢方でのファーストチョイスは呉茱萸湯です。片頭痛の診断は頭痛の専門医にお任せして、僕はトリプタン製剤を内服している患者さんには呉茱萸湯の内服を勧めています。発作の頻度が低下することがあるからですね。そして呉茱萸湯を処方したときの楽しみは、再診時の呉茱萸湯の味に対する感想です。

呉茱萸湯は結構苦いですね。煎じ薬に比べればエキス剤はまだ飲みやすいですが、やっぱり苦いのです。再診時に「あの漢方薬は美味しいですよ」とか、「苦いですが飲めますよ」という反応の患者さんには少々長い期間、処方して結果を見ています。一方で「苦くて苦くて飲めません」という患者さんでは五苓散や当帰芍薬散などを使用しますが、あまり手応えはありません。

漢方では「良薬口に苦し」ではないと思っています。すくなくとも不味く感じる漢方薬はあまり効かないと思っています。こんなことが科学的に証明できると楽しいですが。