【症例集】インポテンツに牛車腎気丸は有効?「あっちも元気になりますか?」

【症例集】インポテンツに牛車腎気丸は有効?「あっちも元気になりますか?」

症例

50代 男性

坐骨神経痛、腰痛、頻尿、なんとなく最近気力が萎えたなどを訴えて受診

初老期には少し早いが、牛車腎気丸を処方した。

(再診時)

「体全体がなんとなく上向きです。痛みも幾分楽で、夜間のトイレも少し減りました。気力もなんとか出たような。」

「それは良かったですね。同じ処方を継続しましょう」

「ところで、先生、あっちの方も元気になりますか?すごく調子がいいのです。」

「インポテンツのことですね。元気になりますよ。初老期のいろいろな訴えを改善するパッケージみたいな漢方ですから」

解説

インポテンツの治療薬と言えば牛車腎気丸は有名です。ところが僕の経験では「インポテンツを治す漢方をくれ」と言って来院する人で牛車腎気丸が著効した症例は少ないのです。最近はバイアグラなどを試してから、そして効果が今一歩なので漢方を希望するのだろうと思います。西洋薬剤のバイアグラと同等の効果を期待されてはちょっと漢方がかわいそうかなと思います。

一方で、インポテンツのことは気になっていたのでしょうが、初診時には伏せているような控えめな患者さんでは、この症例のようにインポテンツが軽快して感謝されることはあります。牛車腎気丸や八味地黄丸に含まれている地黄という生薬は昔から滋養強壮剤としても有名でした。

金沢の遊郭のそばに地黄煎町という町名が戦後までありました。それぐらい地黄はその当時は効果があると思われていたのでしょう。そんな地黄を含む漢方薬ですので、このような効果は当たり前と言えば、当たり前ですが、バイアグラと競争してはちょっとかわいそうかなということです。