【症例集】慢性腹痛に 「小柴胡湯+当帰芍薬散」

【症例集】慢性腹痛に 「小柴胡湯+当帰芍薬散」

症例

21歳 女性

原因不明の腹痛という紹介状を持って来院

右下腹部の痛みだが、外科は虫垂炎を否定し、婦人科は付属器炎を否定した。致し方なく僕の外来に紹介される。

以前より右下腹部痛があると本人は訴える。

確かに、腹診で右下腹部に圧通ある。

すらっとした美人の女性にて 小柴胡湯+当帰芍薬散を処方した。

4日目に検査結果を聞きに外科・婦人科に来院するも再度特別な病気はないと言われた。「漢方の内服で不快な作用はない」と。

(1ヶ月後の再診)

なんとなく痛みはいいようだ。

「では続行しましょう」

(4ヶ月後の再診)

「相当楽になりました」。

解説

外科も婦人科も問題ないと診断した腹痛です。患者さんは診断が大切なのではなく、腹痛があることが困るのですね。それを良くしてもらえればいいのであって、西洋医学的病名にあてはまらないことが、決して患者さんの満足感にはなりません。そんな時に漢方が役に立つことがあります。

虫垂炎を疑うような腹痛と言うことは、漢方的には右下腹部に瘀血の所見があるということです。処方選択に困ったときに処方方法のひとつに、柴胡剤+駆瘀血剤という選択肢があります。患者さんが比較的華奢であったことから、小柴胡湯+当帰芍薬散を処方しました。そしてなんとかうまく経過した症例です。小柴胡湯+当帰芍薬散、大柴胡湯+桂枝茯苓丸は大塚敬節先生の師匠であった湯本求真が愛用した処方です。そんな知恵を使用しました。