【症例集】胃もたれに半夏瀉心湯「苦くて飲めない」

【症例集】胃もたれに半夏瀉心湯「苦くて飲めない」

症例

43歳男性

胃もたれを訴えて来院

胃もたれのファーストチョイスは半夏瀉心湯にて、これを毎食前に投与

(再診時)

「先生、あの薬は苦くて飲みにくい。そしてちっとも胃もたれも良くならない」と恨めしそうに訴える

そこで安中散を投与。

(再診時)

「あの薬は美味しくて、胃もたれもなんだか良くなった」

その後、胃もたれがあるときに頓服的に内服している。

解説

漢方処方の鉄則のひとつは、迷えば虚証用の漢方薬から処方することでした。この鉄則は特に、麻黄や大黄を含む漢方薬では大切です。ところが麻黄や大黄を含まない漢方薬では、それほどこの鉄則に拘泥する必要はありません。

フローチャート漢方薬治療では、胃もたれにはまず半夏瀉心湯、次が安中散、そして人参湯と並んでいます。この順番は実証向けから虚証向けに並んでいるのですね。胃もたれにはやはり半夏瀉心湯が効く頻度が高いと思っているからです。そして半夏瀉心湯に対する不快な訴えの多くは苦くて飲めないと言ったものだからです。

この患者さんも、「苦くて飲めない、そして効かない」と言いました。最初からそんな雰囲気を察して安中散から処方できるようになることが最良でしょうが、少々の遠回りをしても当たればいいですよね。半夏瀉心湯が飲めれば、やはり半夏瀉心湯が幅広くいろいろな訴えに有効と思っています。