【症例集】透析患者の頑固な便秘

【症例集】透析患者の頑固な便秘

症例

60歳代 女性 無職 便秘

透析導入後10年以上。透析導入後から次第に便通は週に1回程度になってしまった。いつもなんとなく調子悪いと。

麻子仁丸を投与した。

最初は1日1包。次第に増量し1日量を3包とすると1から2日で排便があるようになったと。本当に気持ちが良く、体も軽く食欲も出た。気持ちがバラ色だと。

解説

ファーストチョイスの便秘の薬は麻子仁丸か潤腸湯です。まず1包から始めて、順次増量すればどこかで排便が良好になります。その量は個人差があり、半量ですごく有効なこともあれば、毎食前に各1包として1日3包で便通がつくこともあります。大黄の量に基本的に依存しています。

麻子仁丸や潤腸湯でも効果が少ないときは、芒硝と大黄を含む調胃承気湯が選択肢となります。そして大承気湯や桃核承気湯も実証向けの便秘薬として使用可能です。まずは虚証の漢方薬から処方した方が、不快な作用がすくないのです。とくにお年寄りでは麻子仁丸や潤腸湯から始めることが安全と思っています。

便秘の解消は漢方薬の治療効果を増強させます。特に皮膚疾患では必要です。また大黄は瀉下作用だけが注目されがちですが、実は駆瘀血作用、向精神作用、静菌作用などがあります。つまりいろいろと有効なのですね。