【症例集】大塚敬節先生のご自身の風邪

【症例集】大塚敬節先生のご自身の風邪

症例

大塚敬節先生ご自身 年齢は不明

私は風邪にかかるとたいていは麻黄湯でよくなる。葛根湯を飲むとどうもよくない。四,五年前まではよく葛根湯を用いたが、どうも経過ははかばかしくなかった。よく考えてみると、葛根湯の証ではなくて、麻黄湯の証を呈することが多いのを知った。

わたしは徴兵検査の時に、十一貫六百匁(43.50kg)あった。これがわたしの最高の体重である。現在は十貫匁(37.50kg)内外で、これが何年か続いている。ペンと聴診器を持てればよいので、これ以上の体力は、もはや無用である。

解説

漢方薬が効かないときに、昔から虚実を間違えていないかと言われます。

モダン漢方の切り口では、虚実は消化機能で、概して筋肉量に比例します。簡単に理解するは、麻黄のような胃に触る生薬を含む漢方薬が飲めれば実証、飲めなければ虚証としています。それが漢方を選択するための知恵としての漢方理論に合っているからです。理解しやすいからです。

でも虚実の判断は難しいのですね。大塚敬節先生は37.5kgの体重ですね。どうみても見た目は虚証ですね。ところがご自身で葛根湯ではなく麻黄湯の方が自分に合っているとおっしゃっています。結論は、麻黄が飲めるか飲めないかは、麻黄を飲ませてみないとわからないということです。

いろいろな虚実を推測する文言や漫画は目にしますが、あくまでも推測するためのヒントと理解するとわかりやすいですね。また、虚実は体調によっても変化しますので、固定したものではありません。虚実は時間的に変化するということです。