【症例集】COPDに補中益気湯

【症例集】COPDに補中益気湯

症例

80歳代 女性

COPDで呼吸苦があり、酸素ボンベを離せない。

呼吸器内科の管理は完璧で痰や肺炎はなし。

患者さんに「何が困りますか?」と質問すると、「ともかく疲れる。先生、酸素ボンベと一緒だから、歩くのも大変、息をするのも大変、生きているのが大変」と言われた。

そこで、補中益気湯を処方したところ、数ヶ月後には、とても元気になり、散歩する気力が出た、生きる気力が出たと感謝された。

解説

COPDや気管支拡張症で痰を出しまくっているような患者さんには、フローチャート的には清肺湯が第一選択です。清肺湯は昔は肺結核で痰が多いときに、字のごとく肺をきれいにするために処方したのでしょう。僕の外来にもCOPDや気管支拡張症の患者さんは来院されますが、痰が多い人は少ないですね。

困ることを伺うと「疲れやすい」と訴えることが多いです。疲れやすいというキーワードで、フローチャート的には補中益気湯の出番となります。補中益気湯は人参と黄耆を含む参耆剤の王様です。別名を医王湯ともいいます。参耆剤は気力・体力を増します。

ツムラのエキス剤で参耆剤は10種類あります。地黄を含むもので十全大補湯、人参養栄湯、大防風湯、地黄がない参耆剤は補中益気湯の他、半夏白朮天麻湯、加味帰脾湯、帰脾湯、当帰湯、清心蓮子飲、清暑益気湯の7つです。患者さんにはユンケル黄帝液の漢方バージョンだよと言って渡しています。

参耆剤でも地黄を含むものでは、まれに胃腸障害が生じます。そのときには地黄を含まない参耆剤に変更してください。