【症例集】加味帰脾湯で「悲しいが寂しいに」 カルテにはそのまま記載

【症例集】加味帰脾湯で「悲しいが寂しいに」  カルテにはそのまま記載

症例

40歳代 女性

介護で元気がなく、疲れる。腰痛、肩こり、眠りが浅い、精神的に落ち込む。気圧に影響される。いろいろとご不満あり。

そこで加味帰脾湯を投与。

(再診時)

「悲しいが寂しいにかわった。眠れるようになった。1,3,5時に目が覚めるがすぐ眠れる。疲れが楽になる。生理時の下痢がなくなった。」

「イライラがひどい、話をしていて相手の声が聞き取れない、音としか認識できない。1時間聞こえない。」

加味逍遥散投与。加味帰脾湯は就寝前に。

(再診時)

「イライラのもとを感じるくらいに落ち着く。内服してから便通がいい。くさくないオナラがたくさん出る。」

解説

いろいろと訴える。でも実際に疲れていて、眠れない。そこで加味逍遥散を参耆剤にしたような加味帰脾湯を投与して、まず疲れが楽になり、また眠れるようになった。そして、加味逍遥散を毎食前に、加味帰脾湯を就寝前に飲んでもらって、相当良くなった症例。加味逍遥散で便通がよくなるのは柴胡剤ゆえ、しばしば経験すること。しかし加味帰脾湯で生理時の下痢が治ったと感謝された。

カルテには本人が話したことをそのまま記載するほうが、臨場感があり、後日、本人に昔はこんな風に話してくれましたよと言うと、「その当時に比べれば相当良いです」と言われることが多々ある。西洋医学的には要点だけを並べて、取捨選択し、医療サイドが解釈して記載すればいいので、英語で書いた方が楽なこともある。でも漢方では患者さんの言葉が結構大切と思っています。