麻黄湯(葛根湯)と小青竜湯を一緒に飲んでいいの?【漢方医が解説】

麻黄湯(葛根湯)と小青竜湯を一緒に飲んでいいの?【漢方医が解説】

麻黄湯はインフルエンザの初期にはとても有効な漢方薬です。一方で、小青竜湯が西洋薬の抗アレルギー剤よりも断然有効と自認してくれる患者さんも多数います。

インフルエンザの流行が収まらず、そして花粉症のシーズンが到来すると、日頃、花粉症で小青竜湯を飲んでいる人にとっては「インフルエンザっぽくなったら麻黄湯を飲んでいいの?」という素朴な疑問が生じます。(同様に、「風邪を引いたかな」というときに葛根湯を愛用されている方も多いでしょう)

さて、この「花粉症の時期に小青竜湯に加えて、麻黄湯(葛根湯)を飲んでもいいのでしょうか?」という疑問についてです。

麻黄湯は麻黄、杏仁、桂皮、甘草の4種類からなる漢方薬です。麻黄湯の麻黄は一日量で5グラムです。小青竜湯は、麻黄、半夏、乾姜、甘草、桂皮、五味子、細辛、芍薬の8種類からなる漢方薬です。小青竜湯の麻黄は一日量で3グラムです。

僕も花粉症っぽい時や、プールに入って塩素アレルギーで鼻水が止まらないときなど、小青竜湯を飲みます。1日に3回飲むこともすくなくありません。そんな僕が、インフルエンザをもらったかな?と思ったら麻黄湯を飲むかということです。答えはYESです。勿論、麻黄湯を飲みますよ。

問題は麻黄の量です。麻黄が保険適用される漢方エキス剤で一番多いものは、越婢加朮湯で一日量が6グラムです。しかし、麻黄湯と小青竜湯を1日3回飲むと、一日量で8グラムとなり、越婢加朮湯の麻黄量を2グラムも超えてしまいます。しかし、たった2グラムのオーバーです。

麻黄の副作用は、その主成分であるエフェドリンによるもので、交感神経刺激作用が前面にでます。心臓がドキドキして、そして食欲がなくなることがあります。僕は基本的に麻黄剤に強いので問題ありません。麻黄剤に強いか弱いかは日頃から麻黄含有漢方薬を飲んでいるとわかります。麻黄の量が一日量3グラムの葛根湯や小青竜湯でドキドキ、ムカムカするようであれば、麻黄が苦手な体質です。しかし、まったく問題なければ、麻黄湯と小青竜湯がダブってもOKです。むしろ、インフルエンザを撃退できるのであれば、少々のドキドキやムカムカは、僕は歓迎です。

麻黄がたくさん飲める人は、基本的にがっちりタイプ、つまり和漢で言う実証です。麻黄が苦手な人は、基本的に華奢なタイプ、つまり和漢で言う虚証です。しかし、虚証の人でもインフルエンザに感染して、高熱、関節痛があれば麻黄湯を1日は飲めます。

つまり、日頃、小青竜湯で花粉症の辛い悩みから解放されているという御利益を得ている人は、麻黄が飲める人です。安心して、インフルエンザになれば麻黄湯をまず飲んで下さい。そして、小青竜湯はインフルエンザが治るまでは中止がいいでしょう。麻黄湯内の麻黄の量で、花粉症にも対応OKです。