【症例集】瞑眩は皮膚疾患だけにしよう 「毒がでるように一時悪化することありますよ」

【症例集】瞑眩は皮膚疾患だけにしよう  「毒がでるように一時悪化することありますよ」

症例

70歳代 女性

近医で治らない慢性の湿疹ということで、息子さんに連れられて来院

数件の皮膚科に罹ったが治らないと。

湿疹は下肢に散在性にある。

フローチャートに従って、十味敗毒湯を処方

「今日から漢方薬を処方します。何か変なことが起これば、漢方薬を中止するか、ご連絡ください」

(数日後、息子さんより電話で相談あり)

「湿疹が一気に悪化したようだ。」

「お母様のご機嫌はどですか。」

「特別に悪くはない。」

「湿疹が悪化しただけであれば、もう少し内服を続けてほしい。一時、毒が出るように悪化して、その後快方に向かうことがあります。来週の外来に一緒に来られますか。」

(再診時)

「あの後、湿疹の悪化は落ち着いて、その後だんだんと良くなっている。」

半年間、同じ処方を継続して、湿疹はほとんどなくなる。

解説

正しい処方だが、軽快する過程で体に不快な作用が生じることを瞑眩(めんげん)と言います。昔の本では、「少々不快なことが生じても、瞑眩と考えて、漢方薬を続行した」といった記載は多々見られます。

吉益東洞などは「薬、瞑眩せずんば、その病癒えず」とも言っています。一方で、モダン漢方の立ち位置は、「何か起これば止めてください」です。そんな僕の処方方法でも、唯一皮膚疾患の時のみ、その皮膚疾患の悪化だけであれば、お話をして漢方薬を継続することがあります。