「なんだか風邪っぽい」ときこそ漢方薬の独壇場【漢方医が解説】
- 2020.01.15
- 漢方処方119番

なんとなく風邪っぽい、風邪の引き始めかな、というときに西洋医学ではしっくりくる薬がなかなかありません。
眠くなる副作用も、仕事や運転には厄介です。できれば避けたいです。
しかし、漢方薬には風邪の出鼻をくじく素晴らしい薬がいくつかあります。これらの薬を飲めば、悪化が防げます。副作用もなく、眠くもなりません。
風邪を引くたびに何度か体験してみます。もちろん「効かなかった!」という失敗もあるでしょう。しかし自分なりの薬が発見できれば、とても効果が感じられるはずです。今回はその中でもおすすめの、打率が高いと思われるお薬をご紹介します。
極端なことを言うと、気のせいでも良いのです。結果的に風邪ではなかったかもしれません。その「漢方の力で効く気がする」という思い込みも大事なのです。
のどがチクっとする、背中がゾクゾクするときは
風邪の引きかけに、熱はないけれども、のどがチクっとしたり、ゾクゾクしたり、寒気があることがあります。「あ、これはこのままだと風邪かも」と思う瞬間です。その際にお試しいただきたいのが麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)です。麻黄(マオウ)、細辛(サイシン)、附子末(ブシマツ)という3つの生薬からなり、体を温めて発汗・発散作用をうながす効果があります。
これを1包×1日3回のみます。
鼻水が出る場合
風邪のひき始めに鼻水が出るパターンが多い方もいます。「鼻風邪かな?」と思う場合もあります。そんな時は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を1包×1日3回のみます。
小青竜湯は多くの生薬からできている漢方薬で、麻黄、桂皮には発汗作用が、細辛、乾姜には体を温める作用が、五味子、半夏にはたんを除去する作用があるとされています。
お腹にくる風邪っぽいときは
胃腸風邪の兆候が感じられる時があります。お腹が突然緩くなったり、です。下痢で始まる風邪が胃腸風邪ですが、かかってしまうと数日間苦しめられます。西洋医学では特効薬はありません。
そんなときに病気の出鼻をくじくのが五苓散(ごれいさん)です。ノロウイルスによる下痢にも効果を発揮するときがあります。「安静にしておくように」としか言われなかった方にはお試しいただきたい薬です。
これも1包×1日3回のみます。
まとめ
・喉の痛みや寒気には麻黄附子細辛湯を
・鼻水が出る場合は小青竜湯を
・胃腸風邪の気配がしたら五苓散を
それぞれ1包×1日3回飲みましょう。
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