便秘の際に麻子仁丸で腹痛が起きる場合の漢方薬【漢方医が解説】
- 2018.12.05
- 漢方処方119番

便秘の際の基本漢方薬は麻子仁丸(ましにんがん)です。以前の記事でその使い方をご紹介しました。
実は、この麻子仁丸を使うと腹痛が出る方がいます。これは麻子仁丸に含まれる大黄(ダイオウ)の仕業です。大黄は優れた下剤効果を発揮する生薬で、麻子仁丸にはこれを含め5つの生薬が入っており、優れた便秘改善役に仕上がっています。
この大黄。多くの方にあまり気にせずに使っていただけますが、中には腹痛を訴えられる方がいます。そこで大黄を使用していない、腹痛を起こしにくいお薬を今回はご紹介します。
麻子仁丸で腹痛が出る場合の第一選択肢は
生薬の柴胡(サイコ)には、軽い下剤作用があります。大黄が効きすぎる方には、この柴胡の作用を利用して便秘の改善をはかります。柴胡が含まれる抗便秘薬は加味逍遙散(かみしょうようさん)です。1包×3回/日を4週間ごと服用します。柴胡の穏やかな作用で腹痛なく便が出ることと思います。
イレウスのようになってガスで辛い方は
イレウスとは「
子供の便秘には
大黄が含まれるお薬よりも、効果が穏やかな漢方薬をお勧めします。柴胡が含まれる小柴胡湯(しょうさいことう)を。慢性気味でしたら1包×3回/日を4週間ごと服用しますと、体質が改善されていきます。
乳児にも使えるお薬です。母乳では滅多に便秘にはなりませんが、ミルクでは便秘になってしまう子がいます。そういう場合も小柴胡湯はお使いいただけます。小健中湯(しょうけんちゅうとう)も有効です。
まとめ
第一選択肢は柴胡が含まれる加味逍遙散を。お腹にガスが溜まって苦しい場合は大建中湯を。乳児を含めてお子さんには小柴胡湯や小健中湯をおすすめします。
今回ご紹介した漢方薬
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