女性のイライラ、月経前の緊張、不眠に効く漢方薬とは【漢方医が解説】
- 2018.11.06
- 漢方処方119番

どうしてもイライラしてしまう場合やタイミングがあります。女性特有の周期に関わったり、そうでない場合もなぜか体の芯から気持ちが高ぶってしまうことがあるでしょう。
そうしたくないのに、なぜかキツく周囲に当たってしまったり。これを落ち着かせる西洋薬はなかなか見つからないかもしれません。アロマの手を借りる方法もありますが、効果が感じられない場合は漢方薬を使ってみることもおすすめです。
今回は女性特有のイライラや気持ちのたかぶり、寝つきが悪い時、すぐ目覚めてしまう時などに使える漢方薬をご紹介します。
1.気持ちを鎮める漢方薬の一番手とは
抑肝散(よくかんさん)は心に平安をもたらす漢方薬です。「肝」は「肝臓」だけではなく、お腹や心の中全体を表す漢字だと思ってください。それを「抑える」から抑肝散なのです。
この薬は、女性(実は男性にも有効)のイライラ、高ぶり、月経前の緊張や不眠にぜひ使っていただきたいお薬です。周期前に自分をコントロールできない情緒不安定にも有効です。
1包を1日3回、まず1ケ月間服用します。
ちなみに抑肝散は小児の夜泣き、不眠、認知症の攻撃性性格にも良い効果をもたらします。私もなぜか気持ちが高ぶって寝られない時は使用しています。
2.効果が感じられないときや更年期障害のイライラは
抑肝散の効果があまりわからないときは薬を変更します。漢方薬はこのように「自分に合う」薬を探していく作業が大事です。
この場合は、加味逍遙散(かみしょうようさん)に切り替えましょう。中年前後の時期に月経の周期ではなく、慢性的にイライラしてしまうような更年期障害の気配があったときにも有効です。女性であれば常備しておきたい漢方薬です。
1包を1日3回、1ケ月間服用します。
3.それでもまだ…のときは
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)を使います。下剤の成分を含んでいますので注意が必要です。1包を1日3回、1ケ月間服用します。
少しお腹が痛いがなにか気分が良い、というときは続行して使用してください。他のトラブルも改善する可能性があります。漢方ではこの「飲んで気分が良い」という感覚が大事です。
もちろん下痢をしたり、腹痛を伴って苦しい時は中止です。
4.女性ならば常備しておきたい漢方薬は
月経前症候群は婦人科疾患です。今回ご紹介した加味逍遙散に加え、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)があると何かと心強いでしょう。
5.まとめ
・気持ちのたかぶり、不眠には抑肝散を
・効果が感じられない時は加味逍遙散を
・それでもダメなら副作用がありますが、桃核承気湯まで試してみましょう。
・婦人系の血の巡りをよくするには、加味逍遙散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸を常備しておきたいものです。
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