【症例集】風邪に葛根湯、典型例・微似汗を得られるまでガンガン内服
- 2019.07.13
- 漢方処方119番

症例
50歳前後の男性 (自験例)
昼過ぎから体が急にゾクゾクし、熱っぽくなる。汗はない。
葛根湯をたっぷりしたお湯に溶かして内服する。
汗が出ないので、2時間後に再度お湯に溶かして内服する。
その後、じわーーっと汗がでて、すっきりする。
解説
急性発熱性疾患を記載したものが日本漢方のバイブルである傷寒論です。傷寒論には体格によってたくさんの漢方薬が記載されています。フローチャート漢方薬治療では、まず、風邪には麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、香蘇散のどれかを選んでいます。
実は麻黄附子細辛湯は傷寒論では少陰病に記載されいる薬で、香蘇散は傷寒論の時代にはありません。日常臨床では、日常の対策としては、上記4つのどれが飲めるかを知っておくことが、大切です。
風邪の目標は、不快な作用が出ず、かつじわーっと汗をかくことです。汗が出ないのも出過ぎもダメですね。眠くなどなりません。漢方で風邪に介入するときは「ぼやのうちに消火」するイメージです。風邪でなくてもいいのです。なんとなく風邪かなと思えば、迷わず自分にあう漢方薬を飲みましょう。
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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。