【症例集】患者離れは潔く 「僕には治せないようです」

【症例集】患者離れは潔く 「僕には治せないようです」

症例

改善しているようなのに首を縦に振らない患者さんがいます。もしくは、別の病気を探しているようにも見受けられます。このような方は診察時間も長くなりがちです。時間のあるときにじっくりお話を聞くようにしていますが、どれだけ試してみても結果が少しもでなければ、僕の力不足でしょう。以下のように話すこともあります。

○「僕には治せないようです。」

○「他にもたくさん医師がいますので、他の先生を頼ってみてはどうでしょうか?」

解説

モダン・カンポウはリラックスして、患者さんと適切な処方を探していくことが大切な立ち位置です。そしてフローチャートにそのまま従って、または少々順番を変えて、またはまったく別の切り口から処方します。そんな方法で結構有効ですね。7割から8割の患者さんに満足してもらっていると思っています。でも言葉を換えれば2割から3割は治らないのですね。

そんな時に決して、「今の医療では治らない」と言わないことです。10年以上前に、留学先のオックスフォード大学から帰国し、保険医療としては最初のセカンドオピニオン外来を始めました。そんなときに、「今の医学では治らない」と主治医に言われて落胆している人が少なからずいました。患者さんにとって希望は大切ですね。インフォームドコンセントという正確な意味がよくわからない言葉が普及し、医師は昔よりは説明する機会や義務が増えたのではとも思っています。どんなに説明してもらっても結構ですが、最後は「僕には治せない」と言ってもらいたいと感じていました。漢方で治すときも同じですね。「僕には治せない」のであって、「漢方を含めて、今の医学では治らない」のではないですね。患者離れを潔くすることも大切と思っています。そんな話をしながら、「もう少し先生と頑張ってみる」と言われれば、もう少々漢方薬で頑張るという選択肢もありですね。