頻尿を治すには|原因の把握と対処法まで【漢方医が解説】

頻尿を治すには|原因の把握と対処法まで【漢方医が解説】

頻尿、尿漏れ、残尿感など、尿に関する相談はとても多いです。なかなか人に言えない悩みかもしれませんが、かなり多くの方が感じられています。また、何か大きな病気と関係しているのではないかと心配な方もいることでしょう。

この記事では、排尿のメカニズムから頻尿の原因、病気の可能性、頻尿を改善するにはどうしたらいいか解説します。

尿を出すまでの腎臓、膀胱のはたらき

尿に関する悩みは、オシッコを溜める膀胱の機能に関係しています。尿は基本的に常時生成されています。尿をつくる腎臓はザルのようになっていて、赤血球や白血球、血小板やタンパク質はザルから漏れ出ませんが、他の物質はほとんどザルを通加します。このザルを糸球体と医学用語では呼びます。

そして1日当たり200リットルも濾されているのです。一方で、尿として排出されるのはそのうち2リットル前後です。ですから99%は腎臓で再吸収されて体に戻っているのです。尿量が2リットルというのも、飲む水分が少なければ1リットル以下になりますし、またたくさんの水やお茶などを飲めば数リットル以上になることもあります。臨機応変に体は反応しているのです。

しかし、常時オシッコは生成されていることは間違いなく、オシッコは尿管を通って膀胱に貯えられます。膀胱が満タンになると、または満タンになる前に膀胱を空にしようと思うと、司令が脳から出て膀胱の出口が緩み、尿道を通って体外にオシッコとして排出されます。

ちなみに、尿は基本的に無菌です。便が大腸菌などの細菌を無数に含んでいることと正反対ですね。オシッコを少々飲んでもまったく健康には問題ありません。

尿意とは何か

膀胱を空にしたいという思いが尿意です。膀胱が満タンのこともあれば、満タンになる前に尿意を催すこともあります。オシッコの準備ができていないのに、膀胱の出口のしまりが緩みオシッコが出てしまうと尿漏れです。

また膀胱からの排尿が終了してもオシッコが未だ残っている、まだオシッコをしたりない感じが残るのが残尿感です。どれも困りますね。

しかし、どれも怖い病気、つまり癌であることは少ないのですよ。悪性腫瘍である癌を疑う所見はなんといっても血尿です。前立腺癌では頻尿とか残尿感が初発症状のことがあります。前立腺は膀胱の出口に尿道を取り囲むように存在するからです。

頻尿の原因5つと、病気の可能性

教科書的には頻尿の原因はいろいろです。

①まずは膀胱への刺激が頻尿の原因になるもので、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、膀胱腫瘍、膀胱結石などの可能性があります。

残尿によって頻尿になることがあり、その原因は前立腺肥大や前立腺癌の可能性があります。

膀胱を支配する神経の異常で尿意を催すことがあり、脳梗塞、パーキンソン病、脊椎管狭窄症などで起こります。

尿量が増えれば頻尿になるので、水分多飲、糖尿病、腎臓病、心不全などの可能性があります。

心因性の頻尿で、就寝時にはほとんど頻尿を訴えないことが多く、ストレスや精神不安で生じる頻尿です。

頻尿への治療法

大きな病気を除外するための検査

まず可能性が少ないのですが、怖い病気を除外するために検査を行います。

まず尿検査です。血尿の有無が大切な所見です。つぎに蛋白尿です。そして血液検査をすると炎症の程度が血中の白血球やCRPで判断できます。前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAも前立腺癌を除外するためには有益です。そして超音波検査、場合によりCT検査、そして必要があれば膀胱鏡検査となります。

通常は尿検査だけで血尿がなければ安心です。そして頻尿の治療に移れば良いでしょう。その後どんどんと悪化するようなら、またはまったく軽快しないときにさらなる検査を予定すればいいと思います。

頻尿の治療

頻尿の治療薬は有益な西洋薬が多数発売されています。ベシケアやブラダロン、ベタニスといった商品名の薬剤を使用します。副作用としては口渇や便秘が生じます。

漢方薬も有効なものがあり、西洋薬と併用してもいいですが、西洋薬の副作用を嫌って漢方だけを希望する人もいます。漢方薬は薬と患者さんの相性があるので、最初から効く漢方を当てようと思わずに、複数を順に試す気持ちでトライすれば嫌いにならないと思っています。

八味地黄丸(はちみじおうがん)、五淋散(ごりんさん)、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)、猪苓湯(ちょれいとう)などを使用しますが、どれもOTC医薬品として薬局でも処方せんなしで購入できます。ハルンケアは八味地黄丸で、ボーコレンは五淋散、そしてユリナールは清心蓮子飲です。

また、男性は中高年になれば夜中に1から2回はトイレに行くことは普通です。特に寝る前の飲水制限をしなければ、トイレに明け方行きたくなるのです。それは少々しゃくですが、加齢による膀胱の経年劣化で、それは薬でなんとかしようと抗うよりも、諦めてトイレにいってまた寝る習慣を付ける方がよろしいのではと自分でも納得し、患者さんにも勧めています。

この記事で紹介した漢方薬