打撲・捻挫の時に効果的な漢方薬とは【漢方医が解説】
- 2019.01.11
- 漢方処方119番

打撲でも、捻挫でも、皮下に炎症が発生します。傷ついたところを修復しようとする生体反応です。これが痛みを引き起こします。
西洋医学では急性期にはRISE処置を行い、痛み止めを処方します。RISE処置とは、患肢や患部を安静(Rest)にし、氷で冷却(Icing)し、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)し、患肢を挙上すること(Elevation)です。そしてNSAIDsの痛み止めを使用します。
腫れや痛みがある場合は、ぜひこのような対処や治療を行ってください。
さて、漢方薬は、体質改善のために長期間に渡って飲む薬だと思っていませんか? 実は抗炎症作用のあるお薬があるのです。西洋薬と併せて使ってみたいお薬をご紹介します。
どんな打撲や捻挫にもまずは…
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、外傷への特効薬だと思っています。昔から合戦時のお薬として用いられてきました。これを3包/1日、2週間継続します。これで腫れや痛み、皮下出血が軽減するでしょう。
それでも「よくなった」と実感しにくい場合は・1
生薬の一つ「大黄(だいおう)」は、抗炎症作用が高いと考えられています。しかし効果を発揮する時に、下痢しやすくなるという特徴があります。がっちり体型の人で便秘傾向の方には、通導散(つうどうさん)を使うこともあります。桂枝茯苓丸ではなく、最初から3包/1日、2週間継続ということもあります。ただ大黄が3g、芒硝が1.8g入っており下痢しやすいお薬ですので、注意なさってください。無理に使う必要はありません。
それでも「よくなった」と実感しにくい場合は・2
治打撲一方(じだぼくいっぽう)という、その名の通りのお薬があります。大黄が1g入っていますので、少々下痢しやすいでしょうが、気にならない方であれば、最初からこれを使う手があります。
まとめ・この記事で紹介したお薬は
打撲や捻挫を昔の人は古い血のたまりであると考えました。それを流すお薬を考えたのです。実際に、現在でも西洋医学の処方で腫れやむくみがひきにくいことがあります。そういう場合は漢方薬の力を借りることも考えてみてください。
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