【症例集】「漢方を始めるのなら、西洋薬を止めたいのですが」

【症例集】「漢方を始めるのなら、西洋薬を止めたいのですが」

症例

外来ではタイトルのように言われることがあります。僕は以下のように伝えています。

○「くれぐれも西洋薬は続行ですよ」

○「漢方薬は補完医療です。今飲んでいる西洋薬は止めないでくださいね。将来的に、症状がよくなって、ぼつぼつ西洋薬を減量することはかまいません。

解説

モダン・カンポウの立ち位置は、現代西洋医学では治らない症状や訴えに保険適応漢方エキス剤で対処することです。ですから、西洋医学がまず先にあります。西洋医学的治療で困っていることがそもそもの出発点です。ですから、西洋薬は続行です。漢方を始めて、そして西洋薬を同時に中止してのでは、悪化したときにその原因が西洋薬を止めたからか、漢方が悪い方向に働いたのか判然としません。補完医療ですので、西洋薬を続行して、上乗せする形で投与します。

また、「この西洋薬を止めてください」と指導したのでは、その西洋薬を処方している医師と喧嘩になりますね。「西洋薬を止めると言えるほど漢方は有効なのか? それならエビデンスを見せろ」と言われます。

一方で、西洋薬を続行のまま漢方を処方するのであれば、よほどの漢方嫌いの先生でも「試しに飲んでみればいいでしょう。どうせ効くわけないから」と思っていただけるかもしれません。そして漢方で患者さんが少しでも楽になれば、アンチ漢方の先生ももしかしたら漢方ファンになるかもしれませんね。

なにより、患者さんが喜びます。患者さんは西洋医学の先生にも相当感謝しています。でももっと良くなりたいと思っているのですね。勝手に西洋医学の薬を止めたくはないのですね。

まず、漢方を併用する。そして楽になっていけば、西洋薬剤を減量、中止するという選択肢もありですね。