【症例集】「先生、死ぬことはないのかい」漢方でも死亡例はある

【症例集】「先生、死ぬことはないのかい」漢方でも死亡例はある

症例

「先生、漢方薬試してもいいけれども、死ぬことはないのかい?」

「漢方薬も薬だから、希に死ぬこともありますよ。でも1袋飲んで、1週飲んで死ぬことはないですよ。何かあれば止めてもらえば大丈夫です。」

「どれぐらいの頻度で死ぬのですか」

「小柴胡湯という薬で不幸な例が生じました。2万人に1人が死亡すると言われています。この頻度は交通事故で突然死亡するのと同じです。ですから、僕も僕の家族も小柴胡湯は必要であれば飲んでいます。」

さらに、「交通事故に合うからといって、外出を控えることはしないですよね。それと同じで、ほんの少しのリスクは承知で、織り込み済みで日常生活をわれわれは送っています。」と付け加えています。

「先生、よくわかったよ。何かあればやめればいいんだね。」

解説

漢方薬でも死亡例はあります。西洋剤でも死亡例があります。特別漢方薬だから危ないと言うことではありません。小柴胡湯の間質性肺炎への作用が有名です。肝炎という病名にたいして、闇雲に小柴胡湯を処方した時期があったのですね。1990年代です。その時に死亡率がだいたい2万人にひとりだったのですね。

交通事故死の確率、1億2000万人で年間5000人とだいたい似ています。そんな頻度と理解しています。ですから、僕も僕の娘も家内も必要であれば小柴胡湯を内服します。また交通事故とは違って、一瞬で死亡することはありません。一袋飲んで死亡と言うことはないのですね。空咳に注意すればもっと安全性は高まります。「何か起これば止める」ことが大切で、漢方薬でも副作用は当然に起こりうると患者も医師も思っておくことが安全のための第一歩です。