西洋医学で解決しないめまい【漢方医が解説】
- 2018.11.28
- 漢方処方119番

めまいがあり、病院で検査をしても異常が見つからない、処置をしても治らない、そんな症状に悩まれている方もいらっしゃいます。そのような症状こそ、漢方薬の出番です。
くれぐれも、長く続いているめまいに関しては西洋医学的な検査、処置を行ってください。脳腫瘍など重篤な疾患を見逃しては本末転倒です。検査の結果異常が見つからず、処置をしても症状が改善しない方に、漢方薬をご紹介します。
1.どんなめまいにも苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
西洋医学的治療が無効な、経過の長いめまいには苓桂朮甘湯を試しましょう。1包×3回/日、食前
2.効果がない場合
苓桂朮甘湯を1ヶ月ほど試して効果が見られない場合、まずは半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)を試しましょう。体力、気力をつける成分(人参、黄耆)も含まれています。それでもだめなら真武湯(しんぶとう)です。温める成分(附子)が入っているため高齢者に有効ですが、若い方に効くときもあります。1包×3回/日、食前
西洋薬が効かない症状ですので、即効性があるとは考えないでください。長い目で見て、体質を変えていくとお考えください。
3.薬剤師・中山今日子先生より補足
桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)の中をよくみると、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)がすっぽり入っています。苓桂朮甘湯を使いたいような方で、さらにお腹が弱くて冷えが強い人には有効です。めまいや痛み、耳鳴りなどがあって、神経症的な症状もあり、下痢や冷えも訴えている場合には、この処方だけで対応できそうです。
苓桂朮甘湯 茯苓6.0、蒼朮3.0、桂皮4.0、甘草2.0
桂枝加苓朮附湯 桂枝4.0、芍薬4.0、大棗4.0、生姜1.0、甘草2.0、茯苓4.0、白朮4.0
参考文献)
長瀬真彦、田中耕一郎、入江祥史:漢方処方保険で使える全種類まるごと解説.中外医学者.2018
この記事で紹介した漢方薬
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