比較的元気なお年寄りなど平常時にやや弱々しい方の風邪薬
- 2018.11.01
- 漢方処方119番

今回は平常時、やや弱々しい方のための風邪薬をご紹介します。比較的元気なお年寄りの方が当てはまります。このブログでは「やや弱々しいタイプ」と表現します。
1.どんな風邪にも「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」がおすすめ
このようなタイプの方に麻黄湯や葛根湯を処方すると、汗がですぎたりして早く治らないことがあります。そこで使いたい薬があります。
それが麻黄附子細辛湯です。
風邪のひき始めに熱が出てゾクゾクしてきた時に飲み始めます。1包×3回、3日です。なんとなく冷えたときもおすすめです。
2.風邪を引いた日に何もしなかった場合は
熱が出たのに、様子見してしまう場合があります。その翌日から使いたい処方になります。
それは麻黄附子細辛湯と桂枝湯の組み合わせです。それぞれ1包×3回、3日飲み続けます。
風邪引き掛けの日をすぎてしまい、汗がジトーッと出てきて本当に風邪を引いてしまった時に有効です。
3.長引いた時は
上記の組み合わせでも長引いてしまうケースがあります。3日飲み続けてもまだ引きずっているようでしたら、桂枝湯を入れ替えます。
麻黄附子細辛湯と補中益気湯の組み合わせに変更です。それぞれ1包×3回、3日飲み続けます。風邪をひきながらも頑張れます。
4.まとめ
・やや弱々しいタイプの方はまず麻黄節細辛湯を使います。
・風邪を引いた日を逃してしまったら、麻黄節細辛湯に桂枝湯を併用します。
・さらに長引いたら、麻黄節細辛湯に補中益気湯を併用します。
-
前の記事
漢方薬の副作用について 2018.11.01
-
次の記事
治療しても治らない蓄膿症(副鼻腔炎)、鼻づまりには葛根湯加川芎辛夷【漢方医が解説】 2018.11.01
Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。