平常時に気力体力ある方(がっちりタイプ)の風邪薬
- 2018.10.29
- 漢方処方119番

漢方薬の処方では、「平常時、その方がどんなタイプの人か」というところを重要視します。それによって効果が合う合わないがあるのですね。このブログでは「がっちりタイプ」や「弱々しいタイプ」などと呼んでいきます。タイプが違っても、重大な副作用や後遺症が出るわけではありません。一日くらいなら問題ないものばかりです。
成功率をあげるために、できればタイプが合致していた方がいいっぽいよ、という考え方です。今回は平常時に気力体力ある方(がっちりタイプ)のための風邪薬をご紹介します。
どんな風邪にもまずは麻黄湯
平常時、がっちりタイプの方(子供も含みます)は汗を出すことで風邪を退治できます。風邪のひき始めに熱が出てゾクゾクしてきた時。この場合におすすめなのが麻黄湯(まおうとう)です。
これを1包×6回、1日を目安に汗が出るまで数時間ごとに飲み続けます。お湯に溶かして飲んでください。大汗までをかく必要はありません。
麻黄湯は、葛根湯にも含まれる、麻黄、桂皮、甘草に、杏仁(きょうにん)を加えた処方です。
がっちりタイプの人は、熱が出ても汗をかきにくいので、麻黄湯の力で体を温め汗を出しやすくします。
熱の後になんとなくすっきりしない日が続くときは
麻黄湯で汗が出始めたら、そこで漢方薬治療は終了して構いません。
それでも中には数日すっきりしない場合があります。そんなときは柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)に切り替えます。これを1包×3回、3日飲みます。これでじんわり温まる作用が持続し、風邪が完治します。
元気な子供の風邪にも麻黄湯
平常時元気な子供の風邪は麻黄湯だけで治ることが多いです。これで汗を出して一晩寝れば翌朝にはスッキリします。漢方はお湯に溶かして飲むのが良いのですが、それが苦手な子には粉のまま飲ませることもあります。ゼリーと混ぜても良いでしょう。
まとめ
・平時に元気な方は麻黄湯を汗が出るまで飲みましょう。それだけでOKです。
・数日間、すっきりしない場合は柴胡桂枝湯を使います。
・子供の風邪にもまずは麻黄湯を飲ませて、汗を出すようになさってください。
この記事で紹介した漢方薬
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