【症例集】慢性疲労? 治せるものしか治せない

【症例集】慢性疲労?  治せるものしか治せない

症例

30歳代 女性

「先生、慢性疲労症候群と診断されています。なにか良い漢方薬はありませんか?」と母親が相談する。

「西洋医学的治療を継続するのであれば、漢方でも頑張ってみましょうか? 昔の知恵を使うのも悪くはないですね。併用するのであれば」

(その後)

補中益気湯、六君子湯、小建中湯、半夏白朮天麻湯、などを試みるも無効。

(ある日)

いつも母親と入室し、僕の質問にはまず母親が答える。仕事はできず、からだも動かないと。

診察終了後に同僚が、先生そっと様子を見てきますと言って偵察に出る。

すると、「外では大声で母親と笑って話し、そして自販機でコーラを買って、ごくごくと一気飲みしました」と教えてくれた。

漢方の出番や、僕の出番というよりも、もっと他の解決方法がありそうだ。

慢性疲労症候群という病名が正しいのだろうか・・・・

解説

漢方を処方すると、なんでも診れるようになります。治るか治らないかはわかりませんが、トライすることはどんな訴えにも可能になります。そうすると、いろいろな患者さんが、患者さんご自身の意思で、医師からの紹介で訪れます。ある意味悪い言い方をすれば「ゴミ箱外来」になるのですね。そんな外来も結構楽しいのです。その中にも漢方で治る人がいるからですね。

でもすべてを治そうと思わない方がいいですね。できることを出来る範囲でやることが大切です。そんなリラックスした態度が必要で、そして十分と思っています。

また、母子同腹という考え方が漢方にはあります。抑肝散で有名です。子供のイライラは、母親のイライラが伝わるからと考えて、母子ともに抑肝散を内服させるというものです。この症例でも母子同腹を考えましたが、結局やめました。なんだかおっくうになって。