血の道症(ちのみちしょう)とは何か【漢方医が解説】

血の道症(ちのみちしょう)とは何か【漢方医が解説】

血の道症という言葉を聞いたことがあるでしょうか。特に女性は聞く機会も多いと思います。なんとなく女性特有の症状かなと思いつつ、具体的にどのような状態なのかわからないという方もいらっしゃると思います。

この記事では、血の道症についての解説と、漢方との関係性についてご紹介します。

血の道症とは

血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。敢えて言い換えれば、婦人に見られる更年期障害類似の自律神経症候群とも言えます。

血の道症と漢方

血の道症という単語は、漢方薬の分野では健在なのです。なぜかというと、漢方薬は厚生労働省医薬・生活衛生局が出す「一般用漢方製剤製造販売承認基準」に基づいています。平成29年4月1日に出されたものには、以下の漢方薬の効能・効果になんと「血の道症」と記載されています。

温清飲:うんせいいん
黄連阿膠湯:おうれんあきょうとう
芎帰調血飲:きゅうきちょうけつ
芎帰調血飲第一加減:きゅうきちょうけついんだいいちかげん
桂枝茯苓丸:けいしぶくりょうがん
桂枝茯苓丸加薏苡仁:けいしぶくりょうがんかよくいにん
香蘇散:こうそさん
柴胡桂枝乾姜湯:さいこけいしかんきょうとう
三黄瀉心湯:さんおうしゃしんとう
三黄散:さんおうさん
四物湯:しもつとう
逍遙散(八実逍遙散):しょうようさん(はちみしょうようさん)
加味逍遥散加川芎地黄(加味逍遥散合四物湯):かみしょうようさんかせんきゅうじおう(かみしょうようさんごうしもつとう)
川芎茶調散:せんきゅうちゃちょうさん
女神散(安栄湯):にょしんさん(あんえいとう)
薏苡附子敗醤散:よくいぶしはいしょうさん
抑肝散加芍薬黄連:よくかんさんじゃしゃくやくおうれん
抑肝散加陳皮半夏:よくかんさんかちんぴはんげ

そして、その各漢方薬の項目内に

《備考》 注)ここに、血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことである。

との記載があります。つまり、現在の厚生労働省の文書ではこれが血の道症の定義です。

この一般用漢方製剤製造販売承認基準とは、国が漢方製剤に対して一般用医薬品として製造販売の承認を与える際の審査診断基準です。漢方処方210種類の構成生薬の配合量や効能・効果等が示されています。2010年4月1日に、23種類と加減方が追加され、現在は236種類が収載されています。