【症例集】漢方薬の危険性について・「安全ですよね?」と聞かれたら

【症例集】漢方薬の危険性について・「安全ですよね?」と聞かれたら

症例

タイトルのような質問をいただいた時に、私の答えは次の通りです。「何か起これば中止ですよ。漢方薬は一番安全な部類に属しますが、薬剤です。何か起こることは希にありますよ。」

解説

漢方薬はある意味食べ物の延長です。昔は劇薬のようなものも漢方薬のなかに含まれていることもありました。ところがモダン・カンポウで扱うような保険適応の漢方エキス剤には劇薬はありません。保険適応漢方エキス剤を1包飲んで、数日飲み続けて死亡することはありません。妊娠を知らずに漢方薬を数ヶ月飲んで、流産した報告もありません。

しかし、食物で、食物アレルギーや食中毒で死亡する確率があるように、漢方も100%安全ではないのですね。その理解が大切で、そう理解しておけば不幸なことはまず起こりません。

漢方薬の副作用の多くは、医師も患者さんも「漢方薬は安全だ」と信じ切っていることで生じます。「漢方薬は一番安全な部類に属する薬だが、やっぱり薬剤だから、希に何か起こることがあり得る」と心得ておくことが肝要です。

芍薬甘草湯の長期投与は偽アルドステロン症を引き起こすことがあります。この結果の多くは医師も患者も芍薬甘草湯で何も起こらないと思っていることが落とし穴です。

ですから、患者さんには「何か起これば中止ですよ」と念を押せばいいのです。そして、何が起こるのですがと質問されれば、処方する漢方薬で生じる可能性がある副作用の説明をしましょう。