地黄(じおう)・漢方医による生薬解説45
- 2019.01.06
- 生薬の種類

地黄はゴマノハグサ科の多年草で、アカヤジオウの根を使用します。そして修治方法により、鮮地黄、乾地黄、熟地黄に分類されます。鮮地黄は生の新鮮な地黄で和漢では使用されていません。乾地黄はアカヤジオウの根を乾燥させたもので、熟地黄は蒸してから乾燥させたものです。
江戸時代には地黄煎という飴薬が精力をつけるものとして遊郭の外で売られていたということです。地黄煎町という地名は金沢には戦後もあったそうです。
第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- ジオウ Rehmannia Root REHMANNIAE RADIX 地黄
本品はアカヤジオウ Rehmannia glutinosa Liboschitz var. purpurea Makino又は Rehmannia glutinosa Liboschitz (Scrophulariaceae)の根(乾ジオウ)又はそれを蒸したもの(熟ジオウ)である.
地黄が処方名と関係する漢方エキス剤は八味地黄丸などです。漢方エキス剤の約6分の1に地黄は含まれています。

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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。