桃仁(とうにん)・漢方医による生薬解説52
- 2019.01.06
- 生薬の種類

桃仁はモモの種です。仁は種のなかの種です。モモの柔らかい部分を食べた後の種を割ると中からまた核が出てきます。それが仁です。仁には便通を良くする作用もあります。
「桃仁」は『神農本草経』の下品に「桃核人」の名で収載されています。「瘀血、血閉、癥瘕、邪気をつかさどり、小虫を殺す」とされています。
第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- トウニンPeach Kernel PERSICAE SEMEN 桃仁
本品はモモPrunus persica Batsch 又はPrunus persica Batsch var. davidiana Maximowicz (Rosaceae)の種子である.
本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,アミグダリン 1.2%以上を含む.
桃仁が処方名と関係する漢方エキス剤は桃核承気湯などです。

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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。