蒺䔧子(しつりし)・漢方医による生薬解説89

蒺䔧子(しつりし)・漢方医による生薬解説89

蒺䔧子はハマビシの未成熟果実です。原植物のハマビシはハマビシ科の植物で,アジアをはじめ世界に広く分布しています。日本で本州の西側,四国,九州に分布しますが,海岸砂地に限られ,環境省のカテゴリーでは絶滅危惧ⅠB類に指定されています。一方,中国やモンゴルなどでは砂地を始めとする乾燥地にごく普通に見られる雑草です。薬用部となる果実は直径が1cmほどで10 本の鋭い刺が生えていて,裸足で踏むとケガをするため,海水浴場では除草の対象とされることも資源減少の理由となっています。 古来,蒺藜と呼ばれる生薬には白蒺藜,潼蒺藜,沙苑蒺藜,沙苑白蒺藜などがあり、ここでも歴史的にどれが正品でどれが代用品かは不明です。

蒺䔧子を含む漢方薬は当帰飲子です。

第17改正日本薬局方には以下のように記載されています

  • シツリシ Tribulus Fruit TRIBULI FRUCTUS 蒺䔧子
    本品はハマビシTribulus terrestris Linné (Zygophyllaceae)の果実である.

 

042_SITSURISI
ハマビシ 画像提供:ツムラ