紫根(しこん)・漢方医による生薬解説88

紫根(しこん)・漢方医による生薬解説88

紫根は字の如く、ムラサキという植物の根です。紫根は『神農本草経』には中品に「紫草」という名前で収載されています。そして「味苦寒。主に心腹の邪気や五疸の病を治し,中を補い気を益し,九竅を利し,水道を通す」と書かれています。

原植物のムラサキはわが国にも自生していますが、ムラサキによる染色方法は中国から朝鮮半島経由で伝えられました。わが国においても染料としての価値が高かったのです。万葉集収載では17首にムラサキが詠まれています。すべて色や染料に関する歌だそうです。

紫雲膏の紫色は紫根の色です。

第17改正日本薬局方には以下のように記載されています

  • シコン Lithospermum Root LITHOSPERMI RADIX 紫根
    本品はムラサキLithospermum erythrorhizon Siebold et Zuccarini (Boraginaceae)の根である.

 

Lithospermum_erythrorhizon
ムラサキ