車前子(しゃぜんし)・漢方医による生薬解説56
- 2019.01.06
- 生薬の種類

車前子はオオバコの種子です。神農本草経では上品に分類されています。舗装していない田舎の道に生えています。また山登りをしていて、道に迷ったらオオバコを探せという言い伝えがあります。オオバコの種子が人にくっついて広がっていくため、オオバコが高い山の中で見つかったら人里につながっている道であると言われています。
第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- シャゼンシ Plantago Seed PLANTAGINIS SEMEN 車前子
本品はオオバコPlantago asiatica Linné (Plantaginaceae)の種子である
車前子が処方名と関係する漢方エキス剤は牛車腎気丸です。

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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。