川芎(せんきゅう)・漢方医による生薬解説41
- 2019.01.06
- 生薬の種類

川芎はセリ科の多年草で、その根を使用します。セロリのような匂いと味がします。川芎は『神農本草経』には上品として収載されており,原名は「芎窮」です。古来,四川省産のものが優秀とされたため,川芎と呼ばれるようになりました。わが国へは江戸時代に中国からもたらされました。日本産と中国産は形状も異なり、結実しないため、分類が難しく諸説ありますが基原別種とされているため中国産は日本薬局方不適となります。
第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- センキュウCnidium Rhizome CNIDII RHIZOMA川芎
本品はセンキュウCnidium officinale Makino (Umbelliferae)の根茎を,通例,湯通ししたものである.
川芎が処方名と関係する漢方エキス剤は芎帰膠艾湯、川芎茶調散、芎帰調血飲などです。漢方エキス剤の約5分の1に川芎は含まれています。

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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。