川骨(せんこつ)・漢方医による生薬解説90
- 2019.01.12
- 生薬の種類

川骨はコウホネの根茎を縦割りして乾燥したものです。「川骨」はわが国で古くから民間的に利尿,婦人病薬として利用されてきました。生薬名の「川骨」は日本でのみ通用しています。平安時代の『本草和名』に加波保祢として記載されることから,当時はカワホネと発音されていたそうです。
川骨を含む漢方薬は治打撲一方です。
第17改正日本薬局方には以下のように記載されています。
- センコツ Nuphar Rhizome NUPHARIS RHIZOMA 川骨
本品はコウホネNuphar japonicum De Candolle (Nymphaeaceae)の根茎を縦割したものである.

-
前の記事
蒺䔧子(しつりし)・漢方医による生薬解説89 2019.01.12
-
次の記事
蝉退(せんたい、ぜんたい)・漢方医による生薬解説91 2019.01.12
Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。