山椒(さんしょう)・漢方医による生薬解説63
- 2019.01.08
- 生薬の種類

山椒はウナギを食べる時の香辛料として有名です。『神農本草経』の下品に「蜀椒」,中品に「秦椒」が収載されてしますが、現在の山椒との差異は不明です。山椒は傷寒論に登場する大建中湯にも含まれています。蜀椒と呼ばれるのは蜀の国の山椒が品質に優れていたためとも言われています。
大建中湯は保険適用漢方エキス剤ではもっとも売上の大きい漢方薬です。また、山椒は参耆剤である当帰湯にも含まれています。
第17改正日本薬局方には以下のように記載されています。
サンショウ Japanese Zanthoxylum Peel ZANTHOXYLI PIPERITI PERICARPIUM 山椒
本品はサンショウZanthoxylum piperitum De Candolle (Rutaceae)の成熟した果皮で,果皮から分離した種子をできるだけ除いたものである.

-
前の記事
遠志(おんじ)・漢方医による生薬解説62 2019.01.07
-
次の記事
丁子(ちょうじ)・漢方医による生薬解説61 2019.01.08
Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。