山梔子(さんしし)・漢方医による生薬解説58

山梔子(さんしし)・漢方医による生薬解説58

クチナシの実です。橙色です。山梔子は,『神農本草経』の中品に「巵子」として収載されています。古来、栗きんとんの黄色を鮮やかにするために山梔子を入れていました。

クチナシは常緑性の低木で公園や庭にしばしば植えられており,梅雨の時期に開花する白い大きな花と濃厚な甘い香りが印象的です。日本の静岡県以西、また台湾,中国などに自生が見られます.

日本の民間療法においてもクチナシの果実が用いられることは多く,消炎,止血,鎮静,不眠,食道炎,胸痛,胃痛,めまい,口内炎,歯肉炎,扁桃炎,打撲,頭部湿疹,乳腺炎,抜け毛などに,粉末や黒焼きあるいは煎じ液を飲み,または外用する場合には,粉末や黒焼きあるいは煮汁や絞り汁に小麦粉,卵白,胡麻油などを加えて練って患部につけたりしました。

第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。

  • サンシシ Gardenia Fruit GARDENIAE FRUCTUS 山梔子
    本品はクチナシGardenia jasminoides Ellis (Rubiaceae)の果実で,ときには湯通し又は蒸したものである.本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,ゲニポシド3.0%以上を含む.

梔子が処方名と関係する漢方エキス剤は梔子柏皮湯です。

 

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クチナシ 画像提供:ツムラ