柴胡(さいこ)・漢方医による生薬解説31

柴胡(さいこ)・漢方医による生薬解説31

柴胡は急性期を過ぎた状態の代表的生薬です。柴胡は山地に自生するセリ科の多年草で、その根を使用します。江戸時代には現在の静岡県三島で採取、集荷される柴胡をミシマサイコと呼び良品として重用されてきました。

『神農本草経』では柴胡は上品として収載され,「久しく服すれば,身を軽くし,目を明らかにし,精を益す」と君薬にあげられています。『神農本草経』とほぼ同じ時代の傷寒論にも柴胡を使用した漢方薬は多数登場します。その時の柴胡は当然に日本産ではありません。つまり中国産の柴胡と日本産の三島柴胡は別のものでしょう。

第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。

  • サイコ Bupleurum Root BUPLEURI RADIX 柴胡
    本品はミシマサイコBupleurum falcatum Linné (Umbelliferae)の根である.
    本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,総サポニン(サイコサポニンa及びサイコサポニンd)0.35%以上を含む.

柴胡は和漢では急性期を過ぎた後の状態、こじれた状態に使用する生薬です。そんな状態を漢方では少陽病期と呼びます。柴胡が処方に入っていれば、こじれた状態に使用すると思って和漢ではまったく問題ありません。

柴胡が処方名と関係する漢方エキス剤は大胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、小胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、朴湯、苓湯、陥湯、柴胡清肝湯、大柴胡湯去大黄などがあります。漢方エキス剤の約6分の1に柴胡は含まれています。

 

031_SAIKO
サイコ 画像提供:ツムラ