竜骨(りゅうこつ)・漢方医による生薬解説48
- 2019.01.06
- 生薬の種類

竜骨は大型ほ乳動物の化石化した骨で、主として炭酸カルシウムから成ります。『神農本草経』では上品として収載されています。龍骨は、薬効的には「牡蛎」などと同じく中医学では重鎮安心薬に分類され、精神安定・鎮静の効能があります。驚き・恐れ・精神的ストレスにより生じる煩躁・狂躁・易怒・不眠などに対して有効な薬物です。
第17改正日本薬局方には以下のように記載があります。
- リュウコツ Longgu FOSSILIA OSSIS MASTODI 竜骨
本品は大型ほ乳動物の化石化した骨で,主として炭酸カルシウムからなる.本品のうち,エキス剤又は浸剤・煎剤に用いるものについては,その旨を表示する.
竜骨が処方名と関係する漢方エキス剤は桂枝加竜骨牡蛎湯や柴胡加竜骨牡蛎湯などがあります。
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Author:新見正則 投稿一覧
1985年慶應義塾大学医学部 卒業 1998年英国オックスフォード大学医学部博士課程 移植免疫学にてDoctor of Philosophy (D-Phil) 取得 2002年帝京大学外科准教授 2013年ハーバード大学にてイグノーベル賞受賞。帝京大学医学部附属病院において国内で初めて保健診療のセカンドオピニオン外来(外科一般)を開設し、その普及に尽力してきたパイオニア。テレビや新聞などメディアでの紹介も多数。西洋医であるとともに漢方医でもあり、同科血管外科グループにおいて血管、漢方、未病、冷え症の各外来を担当。日常生活や食生活の改善指導、西洋薬・漢方薬の処方により、多くの患者の症状を改善してきた実績を持つ。